水槽内に増殖した藍藻を除去してみた

藍藻(らんそう)は水槽内で発生するコケの中でも特に厄介なコケで、アクアリストなら藍藻が出るとかなり憂鬱な気分になると思います。

そんな藍藻が私が管理している水槽で出てしまったので、除去の方法を色々なパターンで実験も兼ねて試行錯誤しました。

そこである程度、藍藻を無くす方法が分かってきたので、皆さんに共有したいと思います。

目次

藍藻とは?

まず藍藻とは、どんなコケなのか説明します。藍藻はシアノバクテリアと呼ばれる細菌の一種で、植物ではありませんが光合成を行い増殖します。

藍藻はその中でも細かく分類され色や臭気などが微妙に異なるようです。

また以下のような特徴があります。

  • 色は青っぽい緑で粘着性がある
  • (ほとんどの場合)ドブやカビのような臭気がある
  • 増殖スピードが非常に速い
  • 毒素がある(人間や家畜が飲んで死亡した例多数あり)
  • 非常に頑丈で完全に除去することが難しい

藍藻が発生しやすい環境や原因とは?

藍藻はリンや窒素が過剰になっている環境下で、強光や日光が継続的に当たっている際に発生しやすい傾向があります。

また水流が無く酸素が行き渡っていない嫌気環境で良く見られます。

そのため栄養分が豊富な湖やダムでもアオコタイプの藍藻が発生するケースが良く問題となっています。

藍藻の除去方法

藍藻は一度出て放置してしまうと瞬く間に瞬く間に広がってしまいます。

なので早目の対処が必要となりますが、まず代表的な処置方法を簡単にまとめます。

①発見したら吸い出す

まず発見したらホースで吸出しを行います。

スポイトでも簡単に吸出すことが出来ますが、例えばソイルに出た場合そのソイルごとホースで吸い出すことをオススメします。

②ブラックモーリーを入れる


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ブラックモーリーは藍藻を食べてくれることで昔から有名です。

ただし積極的に食べてくれる程では無いので基本、ブラックモーリーだけで藍藻の根絶は無理と考えた方がいいでしょう。

弱らせた藍藻の処理や予防には期待出来ます。

③薬品を投与する

藍藻対策には薬品の投与が効果的です。

一番有名なのがマーフィード社から販売されている藍藻用のエクスタミンという商品です。

付属のスポイトで藍藻に直接噴射します。また構成されている成分がマグネシウム、鉄などのミネラルから出来ているため生体や水草に悪影響は無いとのこと。

基本的にはピンポイント的な使い方をしますが、この成分自体に抑制効果があるので予防にもなるようです。


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次に定番なのがアンチグリーンというカミハタ社から出ているコケ除去液です。この商品はコケ全般に対応しますが特に緑藻と藍藻に効くということで、こちらも良く使われる商品です。

使い方はエクスタミンより簡単で水槽全体に規定量を直接添加するという方式です。

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このアンチグリーンという商品は中身はオキシドール(過酸化水素水)ではないかという通説が、アクアリストの中では定番となっています。

アンチグリーンの細かい成分は公表されていないのですが、商品説明欄に水と酸素に分解されるとあることから、過酸化水素水なのではと推測されているのだと思います。

オキシドールはどこの薬局に置いてあり(マキロンとかがある消毒コーナーにあります)価格も100mlで150円~200円くらいと、アンチグリーンやエクスタミンより圧倒的に安いのでオキシドールを藍藻対策に使用する人も多いです。

ということで今回、筆者はオキシドールを買って藍藻が増殖した水槽に投与してみたので、その結果などは後述します。

更に今回は木酢液での除去も試してみました。木酢液はコケ除去全般で使われる液体ですがネットで検索してみると藍藻に投与している人もいるみたいなので実験も兼ねてやってみました。

また藍藻は細菌に分類されるため細菌性感染症の魚病薬であるグリーンFゴールドが効果がある報告もされており、こちらを採用する人もいます。

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グリーンFゴールドの使用に関してはこちらの方の記事が詳しかったので参考にしてみて下さい

コケコケ水槽の藍藻除去

④ヒメタニシを入れる

あまりメジャーではないかもしれませんが、ヒメタニシはコケ取り能力が高く藍藻も除去するという報告があったので紹介します。

かなり効果があったという方のブログもありましたので参考としてリンクを貼っておきます。

藍藻を色々な方法で除去を試みた

前置きが長くなりましたが、実際に藍藻が発生した水槽を色々な方法で根絶を目指しました。

藍藻が発生したのはオーバル25という10リットル弱の水槽です。

低床はコントロソイルで前景にニューラージパールグラス、後景にパールグラスを水上葉で育てていたのですが水上育成中に既に藍藻が発生していたらしく注水してから更に全体に広がったという状況です。

最初の方はソイルの表面のみに付着していましたが後に水草にも被害が及びます。なお生体は入れていません。

対策①ホースで吸い出す

まずはソイルの表面に付いた藍藻をホースでソイルごと吸い取りました。が、完璧に吸い取ったつもりでも数日後には復活してしまい、きりがないので次の手を打つことに。

対策②木酢液を使用する

今度は水槽の水を完全に抜き、藍藻の部分に木酢液を3倍程度に希釈した液を霧吹きでかけてみました。

すると藍藻は一時的に弱くはなりましたが、同じように数日後には復活してしまい木酢液での除去は終了しました。

対策③オキシドールを投与する

次に本命であるオキシドールを投与しました。

添加量はアンチグリーンの規定量を目安に設定し、初日は10リットル当たり0.6ml、二日目は1.2ml、三日目は1.8ml、四日目は1.8ml、以降は様子をみながら二日に一回、1.8mlを添加しました。なお添加中も照明時間は以前の7時間のままです。

結果、二週間を経過したあたりから効果が表れ始め藍藻の色素が抜けていき確実に弱っていることが確認出来ました。

ただ、この時点ではまだ少し色が残っている藍藻が水草の根元などに残っていたので、その後も二週間程度オキシドールの添加を続けました。

結局、1ヶ月程度オキシドールを添加し続けましたが、やはり完璧に除去することが出来なく、ほんの少しですがまだ水槽内に残っています。

おそらくオキシドールの添加をやめたら、再発する可能性は高そうです。更に今度はオキシドール添加中でありながらアオコタイプの藍藻がガラス面に出てきてしまいました。

アオコタイプの藍藻はアンチグリーンの説明書にも効きにくいと記載があり、この時点で私の心は折れリセットを決意します。。

最後の悪あがき遮光を試みる

もうリセットすることは決めたのですが最後に実験も兼ねて遮光を行いました。期間は様子を見ながら行っていましたが1、2週間では改善されなく結局3週間程の遮光となりました。

その結果、大分改善されましたが、それでもまだ微妙に残っていて、その様子からは復活の予兆が見えます(笑)。本当にしぶとい。

追記

また別の水槽で藍藻が発生したため今度は遮光+オキシドールの添加を行いました。結果として今まで行った方法で一番効果がありました。

但し、やはり期間はある程度必要で、ほぼ藍藻を除去するために3週間程度は期間を要しました。

この水槽では水草をほぼ植えて無かったので良かったのですが水草水槽の場合はこの方法は水草のダメージが大きいので難しいとは思います。

従ってリセットするくらいなら、藍藻を無くした方がいいとう場合についてはこの方法もアリだと思います。

まとめ:藍藻は本当に強かった

今回は実験も兼ねて色々なアプローチを行いましたが、やはり藍藻は、かなり強いなという感想を持ちました。

ある程度弱めることは出来るのですが、完璧に除去するまでのレベルまでは中々に難しいですね。

ただ個人的に、大まかな対処の仕方はわかりましたので次に発生した場合は、もう少しスムーズに対処できるよう善処したいと思います。

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