水槽を新しく立ち上げた初期は、コケが非常に発生しやすい状態になります。
特に水草水槽ではソイルや低床肥料を使用している場合が多く、水が富栄養状態になりコケが好む環境になっていることが大きな理由です。
そこで今回は初期のコケを、なるべく発生させない立ち上げや、管理方法をいくつか紹介したいと思います。
大量に水換えをする
基本中の基本の方法ですが、水換えは水槽内の余剰している養分を外に確実に出す基本的な対策です。
どのくらい水換えすればいいのか?
立ち上げた環境にもよるので水換えの量に絶対的な指標は無いですが、例えばADAのアマゾニア+パワーサンドという最も養分豊富な例で考えてみます。
実際に水草水槽では、この組み合わせで立ち上げる方も多いかとは思います。
この場合、最低でも最初の一週目は毎日、全水量の1/2~3/4はした方がいいです。二週目も1/2~1/3程度を毎日行います。
三週目からはコケの発生状況等を見ながら数日に一回は1/3程度の水換えを行います。
このように養分豊富な低床で立ち上げた場合は、初期に集中的な水換えを行うことを推奨します。
この集中換水を行うことで、後々のコケも発生がしにくくなります。
養分が少ない低床で立ち上げを行った場合はここまで水換えをする必要はありません。
大量に水換えを行うことで、ろ過バクテリアの繁殖が遅くなるのでは?と思う人もいるかもしれませんが、確かにそういった面もありますが、ろ過バクテリアは水自体にはほぼ定着していないので水換えによってろ過バクテリアを流出させてしまう心配は、そこまでありません。
ということで現状は大量に水換えを行う方が、コケを回避することや水草にもいい影響を与えるので、そちらのメリットの方が高いということもあり、個人的には大量水換えをした方がいいという結論に達しています。
ミスト式で立ち上げる
ミスト式とは最近主流になってきた立ち上げ方法の一つで、多くのメリットからこの立ち上げ方法を選ぶ人も多くなってきました。
ミスト式とは最初から水を張らずに水草を水上葉の状態で育成しある程度、水草が繁茂したら水槽に注水するという方法です。
水上葉を生長させる過程でソイルに含まれた養分を消費しますので注水した時に過剰な養分が流出するのを防いでくれます。
ですのでミスト式であれば上で紹介した大量水換えはしなくてもコケの発生を防ぐことが出来ます。
ミスト式については以下の記事で詳しく解説していますので宜しければそちらも参考にして下さい。
マツモや浮き草を入れる
マツモや浮き草は水槽に浮かべておくだけで、水中内の養分を大量に消費し水中の養分バランスを保ってくれます。
ですので立ち上げ初期だけマツモや浮き草を入れるのは定番の手法となっています。
マツモや浮き草は、養分豊富な環境下だと爆発的に増えますので、使用する場合は少量の購入で十分だと思います。
なるべく多く水草を最初から植える
最初に植える水草は多い方が、それだけ養分の吸収量も比例して多くなります。
予算の都合が許せば、なるべく多くの水草を植えた方が、立ち上げがスムーズになる確率が上がります。
例としてADAが水槽立ち上げを立ち上げた際の動画を張っておきますが、最初から超大量の水草を使用しているのがわかると思います。
さすがに個人がここまで水草を使うのは、難しいですが、最初から水草が多い方が初期のトラブルが少ない傾向があります。
照明をつけずに養分を流出させる
上の画像のようにソイルやレイアウト素材を配置し構図を完成させたら水草は植えずにそのまま注水します。
その状態のまま照明をつけずにいると養分は流出しますが、光が無いのでコケは発生することがありません。
そして3~4日に一回程度水換えを3/4程度行い新しい水に入れ替え、この作業を二週間程度行います。
まとめると最初にソイルの養分を光りが無い状態で出しておき、養分が程良く抜けた状態になってから水草を植え、照明も付けて本格的に立ち上げをスタートさせます。
少し特殊な方法ですが、コケ発生のリスクはかなり抑えられると思いますので、この方法が気に入れば試してみて下さい。
照明の時間を調整する
通常水草水槽の照明時間は8時間程度ですが、立ち上げ初期に関しては照明時間を少し短くすることで、コケの発生を抑えることに繋がります。
但しどんなに少なくても6時間は点灯させないと水草が弱ってしまいますので、短くするとしても6時間未満はオススメできません。
【まとめ】水草水槽は立ち上げ初期の管理が大事
水草水槽は立ち上げてから最初の一ヶ月は管理が大変だと思います。
立ち上げ初期は水槽内のバランスが取れていないのでコケが発生しやすいからです。
しかし今回紹介した方法を実践すればある程度、コケ発生のリスクを抑えることができ、スムーズに立ち上げが進む手助けになると思います。
水草や、ろ過バクテリアの水質浄化作用は時間の経過と共に徐々に上がってきますので、立ち上げ初期は少し意識して水換え等の管理を行っていきましょう。