水槽に出る油膜の原因と対策方法

油膜とは水面に、白い油のような膜が張った状態のことを言います。

油膜はそれ自体に毒性はありませんが、美観を損なうことの他にもライトの光を遮りぎったり、酸素の供給が減ってしまうことがあります。

今回は油膜の発生原因や取り除く方法、また油膜を出さないための予防策について、まとめました。

目次

油膜の原因は水槽内の汚れ全般

油膜の原因は主に下記のようなことが考えられます。

  • 餌の食べ残し
  • 水草などの枯れ葉
  • フィルターやホース内の汚れ
  • 流木の腐敗
  • バクテリアの死骸
  • 魚の死骸

要は水槽内に漂う水槽内の汚れ(=有機廃棄物)が主な油膜の発生原因と考えられています。

水槽内には水草や流木など、有機物で溢れているので、基本的には油膜は発生するものと考えても良いと思います。

水槽にまだ生体が入ってなくても、水草や流木を入れていると油膜が出ることは自然なことです。

油膜のデメリット

油膜には主に以下のデメリットがあります。

  • 水面からのガス交換が出来なくなり、水槽内への酸素供給量が減る
  • Co2添加をしている場合、Co2濃度が上がりすぎる場合がある
  • 照明の光量が落ちる
  • 見た目が汚い

最も大きいデメリットは、水槽内への酸素供給量が減ることです。

水面が揺れると、水中内に酸素を取り込むことが出来ますが、それが油膜によって遮られてしまいます。

酸素が減る→バクテリアの死骸が増える→油膜が増える

このような悪循環も起こり得ます。

油膜の消し方

では油膜の取り除く代表的な方法を順に紹介します。

ペーハーなどで物理的に対処する

水面にキッチンペーパーや新聞紙などを浮かべ、油膜を吸わせる方法です。

また計量カップ等で、水面をすくうように取り除くなどの方法もあります。

このような人力で除去する方法は、余りに酷い時など、一時的に取り去りたい場合に有用です。

ただし、数時間後には復活しているので、この方法を恒常的に続けるのは大変です。

フィルターやホース類を洗浄する

もしフィルターの洗浄を何カ月も行っていない場合は、ィルターを洗うと油膜が解消されることがあります。

フィルター内の、ろ材だけで無くホースに溜まった汚れも綺麗にします。

この際に生物ろ過のろ材は軽くすすぐ程度に留め、ウールマットの交換や粗目スポンジの洗浄など物理ろ過の部分を重点的に綺麗にするようにして下さい。

エアレーションを行う

エアレーションを行うことによって水面を揺らし、油膜を物理的に溶かします

また水槽内の溶存酸素量が増えることによってバクテリアの酸欠を防ぎますので、油膜の原因がバクテリアの死骸だった場合、エアレーションで大幅な改善が見込めます。

水草水槽の場合は、特に照明を付けていない夜間に酸素が不足するので、夜間エアレーションをオススメします。

状態が悪い水草をトリミングする

茶色に変色するなど、状態が悪い水草は積極的にトリミングした方が良いです。

特にミクロソリウムやボルビティスなど陰性系の水草の葉は、基本的に再生することがありません。

水草にとっても、悪い状態の葉よりも新芽の展開にエネルギーを回した方が良い結果を得られると思います。

フィルターの出水で水面を揺らす

エアレーションと目的は同じで、水面を揺らすことで油膜を撃退します。

フィルターの出水で水面を揺らすような配置にすると、そのような効果が期待できます。

また、水槽面を揺らすことで酸素の供給もされるので、水槽内の環境が改善する期待も持てます。

ブラックモーリーを入れる


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ブラックモーリー油膜を最も積極的に食べてくれる生体です。

シルバーモーリーやオレンジモーリーなどの近種も、食べてくれることがありますが、ブラックモーリーが最も効果的に働きます。

入れる数の目安ですが60cm水槽以下であれば1~3匹いれば十分です。

繁殖しやすい種なことからオスメス両方居ると殖えてしまうので、オスメスどちらかだけを入れるか単独で導入することをオススメします。

ただし、中には油膜を全く食べない個体も居ます。これは個体差なので諦めましょう。

また、人工飼料をあげすぎてしまうと、油膜を食べなくなるケースもあります。

食欲旺盛な種なので、何でも食べることから、その中に油膜やコケも含まれるイメージです。

油膜取りフィルターを使用する

水中内にスキマーの役割を果たす油膜取り機がメーカーから発売されています。

水槽内に設置すれば数時間後には油膜は消えて無くなります。

各社から似たような商品が出ていますが、個人的にオススメなのがエーハイムから出されている商品で吸い込み能力に優れ動作も安定しています。

また水流を起こすことも出来るので小型フィルターのような使い方も出来ます。

ただし、30㎝以下の小型水槽だと水流が強すぎてしまう問題があります。


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サーフェススキマーを設置する


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外部フィルターの給水パイプを、サーフェススキマー付きに変えるのも非常に効果が高いです。

原理は油膜取りスキマーと一緒ですが、こちらの方が水槽内の美観を損ねないという大きなメリットがあります。

Amazonで上記のようなガラス製のサーフェススキマーが売られていますが、基本的に全て一緒のモデルです。

販売しているメーカーは違えど、元は中国製のOEM製品のようです。

したがって、個体によって精度がバラつきがあり、うまく機能しないこともレビューで報告されています。

油膜との向き合い方

油膜は水槽内の水質の状態を示す一つの指標とも言えます。

まずは発生原因になりえる餌の量や、水草の枯れ葉を取り除くことなど、基本的な所を見直していくと良いと思います。

ただし、それでも特に水槽立ち上げ初期は、ほぼ必ずと言っていい程、出るものなのでコケと同様、その都度対処していくことが必要です。

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