水換えをしても水槽内の硝酸塩が減らない理由

筆者は海水アクアリウムの知識がほぼ無いため、どちらかと言えば淡水アクアリウムをしている方向けに、この記事を書いています。ご了承下さい。

硝酸塩(NO3)とは水槽内の有害物質であるアンモニア→亜硝酸→硝酸塩と分解され言わば硝化細菌の最終産物です。

この硝化の流れはアクアリウムのろ過について調べたことがある方なら何となくでも知っている位、広く認知されていることだと思います。

また硝酸塩はアンモニアや亜硝酸に比べると毒性は低いですが、蓄積され続けると水槽内に悪影響が出てきます。

具体的には硝酸塩が25mg/lを超えるとコケが発生しやすくなり50mg/lを超えると生体にも影響が出始め白点病等の病気にもかかりやすくなると言われます。

そこで基本的には硝酸塩は水換えで除去することが基本と本やネット上では、良く言われることですが水道水にも硝酸塩が含まれていることは知っていますか?

こちらは海水中心のアクアリウム用品を販売しているメーカー、デルフィスさんのホームページを引用したものですが、要は地域によっては水道水の硝酸塩濃度が高いので水換えで除去するつもりが逆に増やしてしまう場合もあるとのことです。

海水アクアリウムでは硝酸塩が問題になることが多いですが、やはり水換えを行っても硝酸塩濃度が低くならないケースが結構あるようです。

淡水アクアリウムでは、水草が硝酸塩を(全てでは無いですが)利用出来ると言われています。

なので特に水草水槽では、硝酸塩濃度が極端に高くなるケースは、余り無いかもしれません。しかし硝酸塩除去の目的で水換えを行っていた筈が、実は濃度を濃くしていた可能性も無くはないです。

そこで水道水の硝酸塩濃度が高い場合の対策を考えてみました。

目次

硝酸塩濃度を計ろう

まずは自宅の水槽と水道水の硝酸塩濃度を測りましょう。セラから出ている上記の試験液タイプの測定が定番です。

水道水は水道水質データベースでも平均値等の確認が出来ますが、正確に知りたいなら試薬使って自宅の水道水を測定するべきです。

硝酸塩を除去する方法

水換えで硝酸塩を除去出来ない場合の対策を考えてみます。

浄水機による除去

アクアリウムの浄水器と言えばマーフィードなのでマーフィードに硝酸塩を除去出来る浄水機は無いか、問い合わせたところ「エキスパートマリンZ」このモデルのみが硝酸塩を除去出来るようです。

マリンと商品名と書いてありますが、純粋を作る浄水機なので淡水の水換え用にも使用出来るとのこと。

但し淡水で使用する場合は、水草に必要な微量元素であるカルシウムやマグネシウム等のミネラルも除去してしまうので、デメリットも存在します。

そして浄水機自体も高価(モデルによるが2万円前後)で水を精製する時間もかかる(1時間で20リットル程度)ので気軽に導入出来るものではないと思います。

硝酸塩除去材を使う

硝酸塩のみをターゲットにした除去材は余り無かったのですが、代表的なのはテトラのナイトレイトマイナスで淡水海水両方に使えます。

こちらについても効果等をメーカーに問い合わせた所、例えばカルキ抜きのような即効性は無いとのこと。

硝酸塩は硝化の最終産物と、冒頭で書きましたが更に窒素に分解するバクテリアが存在します。

このバクテリアは基本的には水槽内の低床に定着する確率が低いと言われますが、要はこのバクテリアを増やすための餌がこのナイトレイトマイナスには含まれているという説明でした。(※バクテリアそのものではありません)

ただレビュー等を見ると、やはり効果には個人差があるようで確実に硝酸塩を除去出来るものとは言えないですね。

他の類似品についても同じことが言えると思います。

まとめ 水換えでコケが増えてしまう可能性

偉そうに、この記事を書きましたが筆者も水道水の硝酸塩濃度が高い場合もあることを初めて知りました。

水道水は他にもケイ酸塩と呼ばれる茶ゴケ(珪藻)の養分となる成分を含んでいるので水換え=コケの発生原因を除去出来るという考えは、状況によっては誤っている場合もあると言えます。

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