水槽に流木を入れる際の注意点まとめ

流木は水草水槽で使用される代表的なレイアウト素材です。

筆者も流木水槽が好きで、アクアショップ巡りをして好みの流木を集めたことがあります。

ただ実際に流木を水槽に入れると、ちょっとした問題が発生することがあります。

ということで今回は流木を水槽に入れる前に知っておいた方がいいポイントをまとめました。

目次

流木のアクについて

何も処理していない新しい流木を水槽に入れると水が茶色に染まっていくことがあります。

原因は流木に含むタンニン・フミン酸・フルボ酸などの「腐植酸」と呼ばれる物質が徐々に染み出るためです。この現象を一般的に流木のアクと呼びます。

また腐食酸は生体にとっては有害な物質ではなく水が流木によって茶色くなっても焦る必要はありません。

逆にpHを緩やかに下げる効果があることや飼育している熱帯魚の現地の環境を再現するために、わざとこの水が茶色い状態(ブラックウォーター)を意図的に作る方もいるくらいです。

但し生体には害は無いのですがデメリットとして鑑賞性が下がるのと、光が水草まで届かず水草の生長に影響することから、基本は透明の水になるように処理を施します。

どんな流木からアクが出るのか

基本的に流木は水に沈めてみないとアクがどのくらい出るかわかりません。

中には既にアク抜き済みの流木も売っていますのでアク抜きが面倒な人は、そういった流木を選ぶのもいいでしょう。

また流木には色々な形状の種類がありますが、枝状の流木(画像左)はアクが出るものが少ない傾向があります。

また色が黒っぽい程アクが出やすい傾向があり、流木の色によってどのくらいアクが出るのか、ある程度推測出来ます。

例えば白っぽい流木ですと全くアクが出ないこともあります。

流木のアク抜き方法まとめ

流木のアク抜きの方法をオススメ順に紹介します。

お湯と重曹に漬け込んでおく

結論から言うとこの方法が個人的に一番楽に早くアクを抜くことが出来ます。

方法としては発砲スチロールのような断熱容器に熱湯を注ぎ、重曹を適量(目安は1リットル/3~5g)入れます。

そして可能であればフタをして保温をします。

一日だけでこの通りアクが大量に出ました

なぜお湯に漬け込むかと言うと温度が高い方が腐植酸が染み出すスピードが速いからです。

更に重曹を入れることによってその効果を加速させます。

1~2日程度経つとかなりアクが出ると思いますので一回お湯を捨てて、この行程をアクが余り出ないレベルまで繰り替えし行います。

ちなみにアクアリウム用品でもアク抜き材も販売されていますが、中身は100均やホームセンターで購入出来る重曹である(または近い成分のもの)可能性が高いのでコスパが良い重曹を使用します。

重曹に漬け込む

お湯ではなくて水に重曹を漬け込んでおいても効果はあります。

入れる容器は何でもいいのでバケツ等に水を張り流木を沈めて下さい。

水が濃い茶色に変色したら水を取り替えてこの行程を繰り返します。流木の大きさや種類にもよるのですが大体一ヶ月程度が目安ですがものによっては数ヶ月かかる場合もあります。

作業量が少ないので急いで無い人やなるべく楽にアク抜きを行いたい人にはオススメです。

沸騰した鍋で煮沸する

これも昔からオーソドックスな方法として知られてる方法で、流木を鍋で煮込みお湯が茶色くなったら交換しアクがある程度出なくなるまで繰り返すという方法です。

メリットとしては一番早くアクを抜ける方法で、煮沸することによって流木を殺菌する効果もあります。

デメリットは大きな鍋が必要になることと光熱費がかかること、時間がかかること、やり過ぎると流木が崩れることがあることなどが挙げられますので個人的には余りオススメしません。

煮沸する時間ですが1~数時間程度を目安に行いますが、いつまでもアクが出続ける場合はその時点で辞めてしまっても構いません。

完璧にアクを取り除くことは難しいので、ある程度アクを抜けば水槽に入れた時も、そこまで水槽の水を茶色にしないと思います。

活性炭を使用する


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水槽に入れる前にアク抜きはせず(あるいは少しだけする)に活性炭によって水槽に流出した色素を吸着させるという方法です。

この方法もかなり有効で、ある程度のアクの量であればアク抜きしていない流木を入れても水を保つことが出来ます。

オススメの活性炭は上の画像のブラックホールで活性炭と言えばこの商品です。

アク抜きが面倒な方やすぐにレイアウトを開始したい方にはオススメの方法です。

流木が浮いてしまう

新しい流木はすぐに沈むものもあれば上の画像のように浮いてしまうこともあります。

これも水に入れてみないとわかりません。

試しに未使用の流木を二本入れてみました。上はGEX社の天然流木で、こちらは浮いてしまいましたが、下のADA社のホーンウッドは最初から沈みました。

このように流木によって最初から沈むものと、そうでないものがありますので流木を水槽に配置する前に一旦、水に付けて浮くかどうか確認する必要があります。

流木を沈めるには

最初は浮いてしまう流木も水に漬けておけば、中の空気が抜け比重が重くなり浮かなくなります。

ですので予め水に一定期間沈めておけば流木は次第に沈むようになりますから基本的にはそのようにします。

但し中には沈むまでにかなりの時間を要する流木もあります。

上の画像はスマトラウッドという流木だったのですがこれは完璧に沈むまでに三ヶ月程度かかりました。

それまではどうしてたかと言うと流木の上に石を括りつけて強引に沈めてました。

この方法は流木が沈まない時のオーソッドクスな方法なので流木が浮いてきて困っている人は参考にして下さい。

流木に白い綿状のものが出る

新しい流木を水槽に入れた際に白い綿状のモヤモヤしたものが出ることがあります。

その正体は水カビと呼ばれる水中で生息するカビである可能性が高いです。ちなみに水カビはADA社の枝流木ブランチウッドで発生することが多いようです。

また水カビは熱帯魚に寄生する可能性があるので発見次第取り除くようにします。

以下水カビの予防や対策を考えてみます。

流木に発生する水カビを予防する

まずは水カビを発生させない予防策を紹介します。

流木の表面をタワシ等で洗う

水道水でタワシやブラシで全体的に汚れを落としましょう。

熱湯で殺菌する

アク抜きの際にもこの方法を紹介しましたが水カビ対策においても熱湯で流木を殺菌することは有効な方法になります。

そもそもアクアショップで販売されている流木は煮沸されてあるものが多いですが、念の為に自分で煮沸するのもいいでしょう。

また殺菌目的では鍋で煮沸するまで必要は無く熱湯に浸しておくだけでもいいと思います。

流木に水カビが発生したら

流木に水カビが発生した場合の対策を考えます。

可能であれば取り出して洗浄する

流木の取り出しが可能であれば水槽外へ取り出し水道水でブラシ等で擦り物理的に除去します。

また再発を予防するため熱湯消毒も行うとより良いです。

ホース等で吸い出す

水槽内から流木を取り出せない場合は上記のような細めのホースを水槽に入れ片側から息を吸います。

そうするとサイフォンの原理で排水が始まるので、排水中に水カビを吸い込み除去します。

ヤマトヌマエビに除去してもらう

ヤマトヌマエビは水カビを食べてくれます。

ヤマトヌマエビを水槽に入れると数日で水カビは無くなると思います。

まとめ

お店で売られている流木は、基本的に殺菌処理がされていますが、それでもアクが出たり、浮いてしまったりしまったりします。

前述したように、これらは水槽に入れてみないとわからない事が多いので、起きてしまったら今回の記事を参考に対策をしてみて下さい。

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