アクアリウムの飼育水について知っておくべき基本知識

アクアリウムを始める前に、水槽内に入れる水自体について最低限、知っておかなければいけないポイントがいくつかあります。

これからアクアリウムを始める初心者の方は、是非一通り目を通してみて下さい。

 

目次

アクアリウムの水温について。観賞魚を飼える適性温度とは?

観賞魚として販売されているお魚の多くは20℃~28℃位が飼育に適している水温です。従って20℃を下回る冬場はヒーターを水槽内に設置し水温をコントロールする必要があります。

逆に夏場については水温が30℃を超えると魚が死んでしまうリスクが高まるので冷却ファン、水槽用クーラーなどを用いて水温を下げるようにします。

水温のコントロールは基本的に、アクアリウム用の道具を用いて行いますが、エアコンで室内そのものの温度を管理する方法もあります。

例外として昔から日本人に馴染みのあるメダカと金魚については、10℃くらいの低水温までは大丈夫なので、冬場でもヒーターを設置しないで飼育することも可能です。

 

pH(ペーハー)など水質に関する基本的なこと

水質において、これだけは把握しておいた方がいい、基本的なことを列挙します。

最初から厳密に理解する必要は無いので、大体こんな項目があることを何となく頭に入れておけばOKだと思います。

pH(ペーハー)について

アクアリウムにおいての重要項目の一つです。

水質を調べる際は、まずはpHをチェックします。pHについての基本ポイントは以下の通りです。

  • 7.0を中性としそれより低ければ酸性、高ければアルカル性となります。
  • 水道水は7.0前後のケースが多いですが地域によってばらつきがあります。
  • pHが高すぎたり低すぎたりする場合は市販のpH調整剤で調整します。
  • pHのチェックは専用の測定器にて行います。
  • アクアリウムでは大体6.0~8.0位のpHで維持します。一部の魚や水草を除けば大体この範囲であれば飼育自体は可能です。
  • より健康的に育てたいのであれば多くの熱帯魚と水草が好む6.3~6.8位の弱酸性の水質にするのが望ましいです。ただし種類にもよるので要確認。
  • 底に敷く砂にソイルを用いると弱酸性の水にしてくれます。熱帯魚の飼育でソイルが多く使用されるのはその為です。
  • pHが違いすぎる水槽に魚やエビを急に入れてしまうとpHショックを引き起こし最悪、死に至らします。新しく魚を買った場合などは徐々に慣らすため水あわせを行います。

pHについて詳しくは以下の記事でまとめています。

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硬度(GH,KH)について

普段私たちが口にするミネラルウォーターについても硬度を表記し硬水、軟水であることをアピールしている商品も少なくありませんが、アクアリウムにおいても硬度は基本的な指標になっています。

日本の水道水は軟水の地域が多いため、そこまで気にする必要はありませんが、例えば、水槽内に入れた砂利やレイアウト用の石から溶け出したマグネシウムやカルシウムによって硬度が上昇していることがあります。

硬度が上昇すると、結果的にpHも上昇する為、極端に高くなってしまうと、大部分の熱帯魚や水草にとっては、あまり好ましくない環境になってしまいます。

もし熱帯魚や水草の調子が悪い場合は、硬度が高すぎることが原因になっているかもしれません。

また硬度の指標にGH(総硬度)とKH(炭酸塩硬度)の二つがありますが、基本的にはGHの方だけチェックすれば十分だと思います。1~3°dHくらいの間であれば特に問題ありません。

下げたい場合には新品のソイル、ゼオライト、ピートモス、軟水器などを使用します。

水中の毒素となるアンモニア・亜硝酸・硝酸について

水槽の中の水が魚の糞や餌で汚れてくると生き物にとって有害な毒素が発生します。それがアンモニア(NH3/NH4)、亜硝酸(NO2)、硝酸(NO3)の三つになります。

毒素の強さはアンモニア>亜硝酸>硝酸の順となりますが、特に立ち上げ初期に発生するアンモニアと亜硝酸については検出されたら速やかに水換えを行い除去します。

硝酸については立ち上げからある程度経過した水槽で発生し、アンモニアと亜硝酸ほど毒素は強くないものの蓄積されすぎると、やはり有害になるので定期的に水換えをし除去します。

水道水に含まれる塩素(Cl)について

日本の水道水には殺菌成分の塩素(Cl)が含まれていますが、これは魚や水槽内のバクテリアにとって有害となるので道水を水槽内に入れる前に必ず除去してから入れるようします。

この作業をカルキ抜きと呼びますがアクアリウム用のカルキ抜き用品が販売されているのでそれらを使用して除去します。

 

アクアリウムのろ過・バクテリアとは?

水槽内に入ってる水を、アクアリウムをやっている人は飼育水と呼んだりしますが、普通の水道水と何が違うの簡単に説明します。

水槽内に魚や水草を入れると魚の糞や残餌、枯れた水草によって当然、水は汚れていきます。その汚れは水換えで対応しますが、余りにも水かえ頻度が高いと水槽内の生き物にとっても飼育者の私たちにとっても負担となってしまいます。

そこで水槽内の浄化作用の力を借りることで綺麗な水を作っていきます。具体的には汚れ(アンモニアなど)をバクテリア(好気性細菌=水槽内に存在する菌)によって分解し毒素を無害化する流れを作ります。

アクアリウムをスタートした際、このバクテリアが機能し水がろ過されている状態を水が出来上がった、立ち上げが完了した、などのような言い方をします。

※ろ過バクテリアは空気の中から水槽内に入り自然発生します。

アクアリウムではフィルター(ろ過機)を使用しますがフィルターはバクテリアの住処となったり酸素の供給をしたりとバクテリアにとって助けになるような機能を果たしてくれます。

 

まとめ:飼育水について基本的なことは抑えておきましょう

以上がアクアリウムの水について基本的な知識でした。

細かいことを掘り下げるとキリが無いので、大まかな説明になりましたが水温、水質、ろ過についての話は、水槽を維持するための必要知識となりますのでアクアリウムを始める際には是非抑えておいて欲しいと思います。

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