赤玉土は園芸で良く使われる定番の土で、ホームセンターの園芸コーナーに大体置いてあると思います。
今回はこの赤玉土の特徴と水槽で使えるのかどうかをアクアリストの観点から解説したいと思います。
赤玉土の特徴
赤玉土は関東ローム層の赤土(火山灰土)を原料とし、それを乾燥させふるいにかけたものを粒の大きさ別に分け作られています。
また赤玉土は以下のような特徴があります。
- 価格が安い
- 粒の形は不揃いで色は褐色系
- pHは弱酸性6.0~6.5程度を示す
- 栄養を持たない
- 通水性、保水性、保肥性に優れている
- 多孔質でバクテリアの住みかになりやすい
- 粒の大きさは大粒>中粒>小粒>細粒と4種類ある
アクアリウムをやっている人ならわかると思いますが栄養を保持していないこと以外は、ソイルと非常に良く似た特徴を持っていますね。
ということで次項では水槽でどのように活用するか考えてみます。
赤玉土で水草は育成できるか
育成自体は可能ですが、養分を保持していなので綺麗に育成するには追肥が必要と考えて下さい。
ソイルと似た性質を持ちますが、下位互換のような位置づけなので、水草育成を重視する人は素直にソイルを選択した方がよいです。
陰性水草やマツモ、アナカリスなど育成が簡単な水草については赤玉土でも全く問題はありません。
アクアリウム水槽においての赤玉土の使い方
園芸用として売られている赤玉土でも水槽にも使用できますが、具体的な例を三つ紹介します。
ビオトープの低床として使用する
屋外で特にメダカを飼育する場合に赤玉土を低床として用いる人は多いです。
上記で赤玉土の特徴を紹介しましたが赤玉土は養分は、ほとんど保持して無く、余計なものは入っていない低床素材です。
屋外で飼育する際に直射日光が当りますから、その際に水中内に養分が過剰な状態だとコケを誘発してしまうリスクがあります。
ですので赤玉土のような養分を保持しない低床は、ビオトープのような屋外飼育では向いていると言えます。
加えて赤玉土は多孔質な素材であるため、ろ過バクテリアの住みかにもなりやすいですし、何も底に敷いていない状態より格段に水質が安定しやすい筈です。
と、以上の理由から価格の安さ意外にも大きなメリットがあるので、メダカを屋外飼育する際は赤玉土を選択するのもかなりオススメです。
水草水槽の土台として使用する
昨今の水草水槽では手前から後ろにかけて傾斜をつけて土を盛るのが定番となっています。
こうすることで水槽に奥行き感と立体感が出るので迫力あるレイアウトに仕上がります。
但しこれを全てソイルでやろうとすると
- 崩れやすい
- ソイルを大量に使用するためコストがかかる
- 酸素が行き渡らず嫌気層が出来てしまう
以上のようなデメリットが発生します。
そこで赤玉土を水槽の最深部に盛ることで上で挙げたデメリットを解消出来ます。
赤玉土はpHも弱酸性で通水性が良く植物の根張りも良いことからも水草水槽の低床素材としては最適です。
また赤玉土以外の素材で土台になる素材は以下の記事でまとめています。
水槽の底砂(低床)として使用する
もちろん赤玉土をメインの低床素材として水槽に入れることも出来ます。
ただし、前述したように養分を含まないことから水草の育成には向かないので、もし水草を綺麗に育てたいならソイルを用いた方が無難です。
生体メインで費用を安く済ませたいのであれば赤玉土を使っても(アルカリ性を強く好む生体以外の飼育でしたら)全く問題ありません。
赤玉土を水槽に入れる時の注意点
硬質赤玉土を選ぼう
何も表記されていない赤玉土は文字通り土そのものを乾かしたものになります。
水槽に入れる場合は水圧がかかり粒が潰れやすくなりますので、基本的には通常の赤玉土を使うのはオススメ出来ません。
そこで硬質赤玉土という高温で焼き固められた赤玉土を使用すれば水槽内でも長期使用が可能になります。
水槽に入れる前に洗おう
ソイルは水槽に入れる前に洗ってはいけませんが、赤玉土の場合は大きめな粒を選んでも粉塵が残っている場合が多々あります。
この細かい砂が水槽に入ると濁りの原因となりますので赤玉土は水槽に入れる前に軽く水洗いするかザルで振るいをかけて下さい。
仮に濁ってしまった場合は水換えを行い数日待てば透明になると思います。
pHに注意しよう
既に説明している通り基本的に、赤玉土は弱酸性を示します。
多くの熱帯魚や水草は弱酸性を好みますから問題ないのですが、中にはアルカリ性を好む生体もいますので事前に確認しておいた方がいいでしょう。
またメダカ飼育で良く使用されると書きましたが、実はメダカが本来、好む水質は中性から弱アルカリ性なので、pHの観点からだと赤玉土はメダカには最適ではないということになります。
しかしメダカは丈夫で水質の適用範囲も広いことから、メダカ飼育でも愛用されています。
良い赤玉土の選び方
アクアリウムで赤玉土を使用する場合は既に説明したように硬質赤玉土がオススメで粒の大きさは中~大サイズが適当かと思います。
またパッケージを見たときになるべく粉塵や石、植物の根など余計なものが、なるべく入っていないものを選ぶようにしましょう。