淡水のアクアリウムでは弱酸性の水質が多くの生体や水草にとって条件が良いので、pHを上げる状況は限定されていると思います。
しかし以下のような場合はpHを調整する必要が出てきます。
- アルカリ性を好むアフリカンシクリッドなどの魚を飼育している場合
- 余りにpHが低くなり水道水と乖離してしまう場合(水換えの際にpHの変動が激しくなりpHショックが起ってしまう可能性があるため)
- 水槽内の生体数が多く、気が付くとpHが下がっている
こういった状況では飼育水のpHをアルカリに傾ける調整が必要かもしれません。その方法を紹介します。
カキガラを使う
かきがらはpHを上げる代表的な素材ですね。
特に上記の「スドー 特撰かきがら」はコスパが良く効果もしっかりあるので評価も高いです。
他の方法とも比べてみましたが、総合的に見てこの『かきがら』を使用するのが一番手軽な方法と言えるでしょう。
使用方法も簡単で小分けにされているパックを、フィルターのろ過槽に入れるだけでOKです。
パワーハウス ハードタイプを使う
パワーハウスとはフィルターの高性能ろ材のことで昔から評価が高いろ材です。
パワーハウスの最大の特徴はpHをコントロールしてくれるという機能があり、上記のソフトタイプはpHを弱アルカリ性に保つ機能を持ちます。
飼育水にもよりますが、大体1.0~1.5くらいpHを上げてくれます。
他のろ材に比べると高価ですがpH調節機能だけではなく、ろ材としても非常に優秀なので多くの人によって愛用されているろ材です。
ちなみにpH調節効果は1年~1年半程度、継続します。
リバースグレイン pHアップを使用する
フィルターのろ過槽に入れるだけでpHをアルカリ寄りにします。
立ち上げと同時に使用した場合は、pHを8程度にし、低pHの水槽に入れた場合はpHを1~2上げます。
またリバースグレインはコケの抑制やアンモニアの吸着もしてくれるなど、ろ材的な役割もしてくれるので水質をアルカリに傾けたい時かつ水槽の調子が悪い時に使用するといいかもしれません。
単に水質をアルカリに傾けたいだけなら、もっと安価なかきがら等で十分だと思います。
水質調整剤を使用する
こちらは液体で水質をアルカリに傾ける商品です。定番は上記画像の「テトラ PH/KHプラス」。
これは水槽のpHと水道水のpHが大きく離れている場合に水道水のpHを調整する目的で使用するといいと思います。
この液体を直接、水槽に入れると生体への負担も大きくリスクがあります。
ということで個人的には水換え用の調整剤として使用することをオススメします。
低床に砂や砂利を使用する
砂利や砂系の低床は中性~アルカリ性の水質に傾けるので、もし中性からアルカリ性の水質を保ちたいのであれば、砂利や砂系の低床を選ぶといいでしょう。
ただし、砂利に含まれるカルシウム分が段々と水に溶けていくので、一般的には時間が経つにつれアルカリ→中性寄りになっていきます。
レイアウト用の石を入れる
石を水槽内に入れると、石に含まれたカルシウムやマグネシウムが水中に溶けるためpHを上げる作用があります。
特に上記画像の青華石(龍王石・青龍石・黒雷石の名前で売られている場合もあり)はpHを上げることで有名な石ですのでこのようなレイアウト用の石を使用して水質を調整するのも良いと思います。
基本的には、表面が白っぽい石の方が多くミネラル分を含みます。
水換えで酸性の物質を除去する
水槽のpHは基本的に時間が経過するについて低下していきます。
理由を簡単に説明すると、ろ過バクテリアがアンモニアや亜硝酸などの有害物質を分解する過程で副産物として水素イオンや硝酸塩が発生します。
この水素イオンや硝酸塩は、酸性の物質で蓄積にともない水質を酸性に傾けることから、水換えをしなければ水質は徐々に酸性に傾いていきます。
ということで定期的に水換えをすることによって、これらの酸性物質を除去し水質の酸化を防止します。
水道水のpHは各都道府県や季節にもよりますが、弱アルカリ性・中硬度の地域が多いので、水換えは非常に有効です。