活性炭は水槽内でアンモニア・亜硝酸・硝酸塩を吸着しない!本来の効果とは?

アクアリウムでは常識とされていたことが実は、間違いや勘違いだったということが結構あります。

今回取り上げる水槽内で使用する活性炭の効果についても、アンモニアを吸着すると考えられている風潮がありましたが、それは間違いだったことが明確にわかっています。

ということで今回は活性炭の本来の効果や使用方法についてまとめました。

目次

活性炭は水中のアンモニア・亜硝酸・硝酸を吸着しない

タイトル通りなのですが活性炭は空気中のアンモニアは吸着しますが水中のアンモニアは吸着しないようです。

詳しくはアクアリウム大手飼料メーカー・キョーリンの下記のリンクで書かれています。

キョーリンは水槽用活性炭の定番商品「ブラックホール」の製造メーカーですから間違いないと思います。

何故なら活性炭がアンモニアなどを吸着してくれるとユーザーが誤解したままの方が売れるからです。

しかし下記リンク先では活性炭の正しい作用を書いてくれています。

要は活性炭はアンモニア等、分子量の小さい物質はほぼ吸着しないとあります。アンモニアの他、亜硝酸、硝酸塩についても同じことが言えます。

ということは特に水槽セット初期の不安定な時に有害物質の吸着の目的で活性炭を入れているケースが良く見られますが、その目的で活性炭を入れている方は考えを改める必要がありそうです。

コケの発生源となる窒素・リン酸も吸着しない

こちらも念のためキョーリンに問い合わせましたが、コケの主な発生源となる窒素やリン酸も吸着しないとはっきり言われました。

セット初期にコケ防止の為に活性炭を使うという方法は他メーカーでは推奨していることもありますが、そのような効果は無いことがわかりました。

アンモニアを吸着してくれるものはないの?


アンモニアを吸着してくれる商品は活性炭とは別にあります。

上記はチャームのオリジナル商品の「アンモニア吸着材 きゅーちゃん」というもので、これはチャームで生体を購入した際にパックの中に入れてくれているものと同じものだと思います。


ブラックホールと同じメーカーのキョーリンから出ているゼオライトタイプのアンモニア吸着ろ過材。

水質を酸性に傾ける効果もあり、また吸着したアンモニアを放出することも基本無いそうです。

活性炭の本来の効果

水中の黄ばみや色素を吸着する

水中の黄ばみなどの濁りを解消するために活性炭を使用し吸着させます。

特に流木のアクに活性炭を使用する機会は多いですよね。

魚臭など嫌な臭いを吸着する

水槽の飼育水から発する嫌な臭いを活性炭の働きによって吸着します。

この二点については商品のパッケージ等でも大きく書かれていることなので既に広く周知されていることだと思います。

また、これらはろ過バクテリアでは分解できないため活性炭に吸着させることで素早く解消が出来ます。

そして基本的には活性炭に期待する主な効果はこの二つと認識した方がいいかもしれません。

続いて活性炭のおまけ的な効果についても紹介します。

毒性物質を吸着する

フェノール、農薬、トリハロメタン、残留塩素など毒性物質を吸着する効果もあるようです。

但しこちらについてはどの程度、効果が期待出来るか明確なことは私にはわからずメーカーの方に聞いても同じでした。

何かの拍子で意図せず水槽内に毒性物質が入ってしまった時の保険程度に考えておく程度でいいかもしれません。

ろ材になる

本来の使用目的とは異なりますが活性炭は非常に多孔質な表面の物質なので、ろ過バクテリアが定着しやすくろ材としての効果もあると思われます。

外掛けフィルターではデフォルトのろ材に活性炭が付いていますが、ろ過能力は低いという意見が多いです。

でも実は吸着以外にも、ろ材として働きもある程度期待出来るのかもしれません。

活性炭は吸着した汚れを放出しない

これも良くある勘違いですが活性炭は一度吸着した汚れなどを放出することは無いそうです。

活性炭は一定期間が経つと吸着効果は無くなりますが上記のような心配は無いので焦って交換する必要はないですね。

活性炭を使用する注意点

pHをアルカリ寄りにする

これは活性炭に含まれるカリウムが水中にとけることから水質に若干の影響を与えると考えられます。

入れる量にもよりますが一応、pHをチェックしておいた方がいいと思います。

薬品も吸着する

活性炭は汚れだけでなく観賞魚治療用の薬品やコケを抑制する薬品の成分も吸着します。

そのような薬品を使用する際は一度、活性炭を水槽内から取り出す必要があります。

活性炭の使用方法

フィルターに入れる

最もオーソッドクスな使い方ですが外部フィルターだと取り出す時が面倒なので余っている外掛け式フィルターに入れておくのも有効ですね。

水槽に直接入れる

活性炭は直接、水槽の中に入れても構いません。その際は上の画像のように水流が当る場所に設置しないと効果が出にくいのでそのようにします。

活性炭はパック状になっているものがほとんどですから洗濯ばさみのようなもので水槽の淵に挟んでおくだけでいいので撤去する際に非常に楽です。

オススメの活性炭

当サイトでは何回も紹介していますがキョーリンのブラックホールは間違いがありません。

少し他のメーカーより高いかもしれませんが本当に優秀なので下手に他のものを選ぶくらいならブラックホールを選ぶことをオススメします。

まとめ:活性炭の使いどころ

最後に結局、活性炭はどんな場面で使用するといいか個人的な見解を述べたいと思います。

やはり最大の特徴である流木のアクをとりたい時にピンポイントで使用するのがいいのかなと思います。

冒頭でも述べたように活性炭を入れてるからと言って汚れが分解される訳ではないので水換え頻度を少なくすることも出来ません。

特に立ち上げ初期、フィルターの中に活性炭を入れる方もいらっしゃいますが、その辺りは好みですね。

私は最近だと最初からは入れたことはないです。困ったときに一時的に助けて貰うというのが私の活性炭の使い方です。

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