カワコザラガイとは2~3ミリ程度の半透明の貝で、生体や水草に害は無いのですが、景観をかなり損ねます。
カワコザラガイは繁殖力が非常に高いため、人力で根絶することはほぼ不可能で、一度、水槽に入ってしまうとかなり厄介です。
ですから駆除が出来る生体の力を借りることが重要となります。
今回はそんな水槽の嫌われ者、カワコザラガイの対策を、まとめましたので参考にしてみて下さい。
カワコザラガイを混入させない予防策
購入した水草を念入りにチェックする
カワコザラガイは大抵、購入した水草についている場合が多いので、水槽に入れる前に良く水草を洗い、目視で発見出来たら確実に取り除きます。
「水草その前に」を使用する
また水草表面の不純物を取り除く「水草その前に」は、目に見えないい卵も駆除出来ます。
使い方は非常に簡単で、水草を漬け込んでおいてから良く洗うだけです。
炭酸水で酸欠の状態にさせる
こちらも「水草その前に」と同様、水草のトリートメントの一種です。
購入した水草を、市販の炭酸水で満たした容器に10分程度、密閉しスネールを窒息死させます。
こちらは、カワコザラガイなどのスネールだけでなく、プラナリアなどの害虫にも有効です。
水上葉の水草を購入する
カワコザラガイは基本、水中葉の水草についてきますから、水上葉の水草を購入すれば水槽への侵入を、ある程度、予防できます。
また組織培養で育成された水草は、害虫や藻類の付着が無いことが特徴なので、そういった水草を購入するのもいいと思います。
カワコザラガイを食べる生体まとめ
一旦、水槽内で増えてしまったカワコザラガイを人力だけで根絶するのは無理です。
ですので基本的には、以下に紹介する生体達に食べて貰って駆除を手伝ってもらいます。
バジスバジス
3~5cm程度の別名カメレオンフィッシュとも呼ばれる熱帯魚です。
バジスバジスのカワコザラガイ駆除能力は高く、60cm水槽に1匹居れば1週間程度で目に見えるカワコザラガイは駆除してくれます。
性格も穏やかで混泳にも向き、比較的丈夫なのでオススメですよ。
また周囲の環境に合わせて色彩が変化するという特徴を持っていて、個体によっては凄く綺麗な姿を見せてくれ飼育者を楽しませてくれる熱帯魚です。
唯一の欠点としてミナミヌマエビ程度のサイズのエビは食べられてしまうことがあります(※バジスバジスの大きさにもよります)ので注意して下さい。
購入する時は小さめサイズを選ぶといいかもしれません。
スネールキラースネール
名前の通り貝を食べてくれる貝です。
カワコザラガイも食べてくれるのですが、若干スピードが遅いので60cm以上の水槽ですとカワコザラガイの繁殖スピードを上回ることが出来ません。
目安として30cm以下の小型水槽に数匹入れておけば、段々とカワコザラガイの数を減らす位には仕事をしてくれます。
筆者は10リットルの小型水槽に2匹入れていましたが二ヶ月後くらいには、カワコザラガイの姿がほぼ見えなくなる程度までなりました。
他の貝のように無闇に繁殖するということも無いので小型水槽で困っていたら入れてみるのも、いいかもしれません。
チェリー・バルブ
初心者向けでもある熱帯魚チェリー・バルブもカワコザラガイを食べるという報告がされています。
チェリー・バルブは口に入るものなら何でも食べる傾向があるので、カワコザラガイにも一定の効果があります。
ただし大きめのチェリー・バルブはビーシュリンプやチェリーシュリンプなどの小型エビも食べてしまうので注意して下さい。
ブラックタイガー・ダリオ
流通が少ないので、あまり聞き慣れないかもしれませんがミャンマー原産のダリオの仲間です。
バジスバジスと少し外見が似てますが、もう少し小型で体表のバンドが特徴的で人気がある魚です。
カワコザラガイに効くという情報があり、筆者の45cm水槽に入れてみたのですが、時間はかかったものの確実にカワコザラガイの数を減らしてくれ、ぱっと見では目立たなくレベルまでにはなりました。
完全駆除とまではいかないまでも人の手でも取り除きながら行えば結構な効果は期待出来ると思います。
ラミレジィ
アピストの仲間の大人気な熱帯魚、ラミレジィも実はカワコザラガイを食べます。
こちらも個体差があり積極的に食べる訳ではありませんが、ラミレジィを入れていたら、いつの間にかカワコザラガイが減っていたという経験が筆者にありました。
ネットで調べてみたところ、やはり同様のことを書いている方がいらっしゃったので今回のリストに加えました。筆者も鑑賞目的で入れた美しい魚がこんな仕事をしてくれたのは驚きでしたね。
アノマロクロミス・トーマシー
カワコザラガイのみならず貝の駆除といったらトーマシーと言われるくらい定評がある魚です。
注意点として最長7cm程度まで成長する為、ミナミヌマエビサイズのエビは簡単に食べられてしまい、小さめのヤマトヌマエビも捕食されます。
貝の駆除においては最強ですが気性も荒いことから使いどころは限られる魚ですね。
ドワーフボーシャ
オトシンのように水槽の底周辺を活発に泳ぐ魚です。カワコザラガイ駆除能力は高く60cm水槽に1匹入れておけば数週間で目に見える範囲は駆逐してくれるでしょう。
性格が若干荒めという意見もありますが3cm程度の魚なので、そこまで気にすることは無いと思います。流通が少なめで若干高価(約1000円/1匹)ですが、特に欠点が無く対カワコザラガイ用にかなりオススメな魚です。
特にオススメな魚は?
上記の魚達の中では特にカワコザラガイを食べる能力に定評があるバジスバジスとドワーフボーシャをおすすめします。
ドワーフボーシャは余り、お店で見ないのですが、バジスバジスなら結構売られていますよ。
また30cm以下の小型水槽であればスネールキラースネールも選択肢に入いれていいと思います。
生体だけでは完全に駆除することは基本不可能
上記にカワコザラガイを食べてくれる頼れる魚達を紹介しましたが、カワコザラガイは砂の中にもぐる性質があり小さい卵を産み付けるので完全に駆逐することは、ほぼ出来ないです。
人の目には見えなくても水草の表面に卵が付いている場合もあるので、一度出てしまったら諦めて目に付かないような努力をする方向に切り替えます。
根絶させるにはプラナリアZEROが有効
プラナリアZEROは名前の通りプラナリアという害虫用の薬品ですが、スネールにも効果があると言われ特にカワコザラガイ対策で使用される頻度が高い商品です。
他の水槽に持ち込ませない為には
とくにかく一度カワコザラガイが出た水槽の水、砂、水草は流用しないことが鉄則です。
またフィルターの中まで進入していることが多いので、そのフィルターを洗浄せずにそのまま他の水槽で使うことはやめましょう。
また水槽をリセットする時は水槽内の水、砂、水草は全て捨てた上で、フィルター内部を良く洗い完全に乾かす位のことをしないと完全に絶つことが難しいと思います。
まとめ
カワコザラガイ対策は基本自分の手である程度とりつつ生体の力を借りることが一番近道であり確実です。
また先述したカワコザラガイを食べてくれる魚達も個体差があり、すぐに効果が無い場合もあるかもしれませんので様子をみるなり他の種類を試したりと試行錯誤してみて下さい。