熱帯魚の水合わせの方法・トリートメントについて

ショップで購入した魚をいきなり水槽にドボンと入れてしまうと、急な水質の変化によって折角買った魚が病気になったり最悪の場合、死んでしまうこともあります。

ですので新しく購入した魚は自宅の水槽の水に慣れさせる為に、水合わせと呼ばれる作業を行います。今回はその水合わせの具体的手順を紹介します。

目次

水合わせの必要性とは?

まずは、そもそも何故水合わせが魚にとって必要なのか簡単に説明します。

魚は普段、安定した環境に住んでいることから環境の急変に弱い性質があります(魚の種類にもより強弱はありますが)。

具体的には水温と水質(pHや硬度など)が急変すると、魚はその環境に適応するために体内で調整を行っていますが、その過程には多大なストレスがかかりエネルギーを使っています。

購入した魚は移動で既にストレスを受け疲弊した状態と言えるので、そのような状態で環境が急変すると適応しきれず最悪の場合、衰弱死してしまうという事態を招いてしまいます。

水合わせは、そういったリスクを減らすために、徐々に温度と水質を合わせていき魚への負担を減らすことが目的です。

家に持ち帰ったらまずは魚の状態の確認

では、これから魚を新しく購入したという状況で必要なことを確認していきます。

まず万が一、買った魚が病気でそのまま水槽に入れてしまったら大変です。以下のチェックを行い、もし異常があれば水合わせの前にトリートメントを行い病気を治してから水槽に入れましょう。トリートメントの方法は後述します。

  • 体表に白点、内出血などの異常がないか
  • 目がにごっていたり、飛び出していないか
  • ヒレが切れていたり溶けてたりしないか

水合わせの手順

魚に異常がないことが確認出来たら早めに水合わせを開始します。

水温を合わせるまでは一緒ですが、その後ビニール袋に入れたまま水を合わせるか、別の容器に入れるかの二通りの方法があります。

1.水温を合わせる

購入した魚は酸素が封入されたビニール袋の状態で渡してくれるので、封を開けずにそのまま水面に浮かせ水温を合わせます。水温が同じくらいであれば、この作業は省いて大丈夫です。

2.水を少しずつつ入れて水合わせをする

水合わせの方法は主に二種類ありますので順に説明します。

ビニール袋を浮かべたままコップ等で少しづつ水を入れていく方法

ビニール袋を洗濯ばさみ等で水槽の壁に挟んだ状態で袋に水をコップ一杯程度の水を入れます。10~15分おきに、この作業を繰り返し一時間くらい経過させます。水が袋から一杯になったら袋の中の水は少し捨てて下さい。

この方法は面倒ではありますが水温を気にする必要がないことがメリットです。

水合わせキットを使用した点滴方式

点滴方式は水槽から水をサイフォンの原理を利用し細いチューブを使って水を一滴ずつ垂らす方法です。

袋に入った水と魚は予めバケツや小型容器に移し替えておきます。この方法は一度セッティングすれば、後は放置で一時間程度待つだけでなので手軽ですね。点滴の量は1秒に2~3適位でいいでしょう。

注意点として冬場は水温が下がりやすいので、冬場は部屋が寒いと折角合わせた温度が下がってしまいます。水温を下げないようにヒーターを使用するか部屋の温度自体を十分暖めておくなど対策しておきます。

またビーシュリンプなど水質の変化に弱いとされている生体は、エアーレーションをして酸素を供給しながら水合わせをすると、より安全に水合わせを行うことが出来ます


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3.魚をすくって水槽内に入れる

魚をネットですくい水槽内に入れます。水合わせに使用した水は病原菌やコケ、スネールなどの混入の可能性があるので水槽に入れない方が無難です。

4.水槽内に新しい水を足しておく

水合わせで減らした分の水を水槽内に入れて完了です。

魚を新しく入れた日は餌を与えない

水槽内に魚を入れた日は環境の変化によって落ち着いていないので餌は翌日から与えるようにします。この時も餌を食べにこない臆病な状態になっている魚もいるので様子を見ながら餌の量を調節します。

より確実に魚を迎えるトリートメントについて

新しく魚を水槽に入れる際に一番のリスクが病気や寄生虫を持ち込んでしまうことです。

これを防ぐ為に一度、隔離した水槽で2週間程度様子を見て、万全なことが確認出来たらメインの水槽に魚を移すという手順がトリートメントと呼ばれています。

トリートメントの方法

まずトリートメント用の水槽を別途用意します。用意する水槽のサイズは購入した生体のサイズや数にもよりますが基本的には20~30cm程度の小型水槽で事足りると思います。

また水槽はフィルターもしくはエアレーションを稼働させ酸欠にならないように気を付けます。

トリートメント用の水槽の水は元々生体が入ってた水だけでは足りないのでメイン水槽の水を少しづつ足して水量を確保します。

トリートメント水槽では生体に異常が無いかどうか良く観察し、また最初は異常が見られなくても病気や寄生虫が潜伏している可能性もあるので、そのまま1~2週間程度様子を見ておきます。

もし異常が見られた場合には症状に併せてメチレンブルーやグリーンFゴールドなどの薬を用い薬浴を行います。

薬浴する場合には活性炭(フィルターのろ材に入っている場合が多いです)を取り除くようにして下さい。

2週間程度経過し、どこにも異常が無いことを確認出来たらメイン水槽へ通常の水合わせを行い生体を移動させます。

まとめ

人間と同様魚も急に住む場所が変わると体調を崩し易く不安定な状態です。折角新しく買った魚をすぐに死なせない為にも水合わせには気を使って確実に魚を迎えたいですね。

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