アクアリウムでは水槽に大きな石を沢山入れ、石が主役となるようなレイアウトを、石組みレイアウトや岩組みレイアウトと呼びます。
水槽に、このような石組みを作ることを提唱し世に広めたのはADA社の創設者である故・天野尚氏と言われており、現在では、石組みは定番レイアウトの一つとなりました。
今ではオーソドックスなレイアウトの石組みですが、シンプル故に、ごまかしが効きづらく難しいというのが一般的な認識です。
ということで今回は初めて石組みレイアウトを作る方向けに、石組みの基本ポイントを筆者なりにまとめてみましたので、ご覧下さい。
石の種類について
アクアリウム用の石はいくつかありますが石の種類は一種類に揃えることが基本です。
石の種類がバラバラですと色もばらけるので統一感が無い印象を与えてしまいます。
また、レイアウト水槽で使用される石の主な種類に以下のようなものがあります。
- 万天石(風山石)
- 溶岩石
- 木化石
- 黄虎石
- 龍王石
それぞれの石の特徴については、以下の記事で紹介しています。
親石について
今回は実際にADA社が作成した石組みレイアウト水槽を例にとって解説したいと思います。
この水槽は「天野尚 NATURE AQUQRIUM展」に行った際に撮影したものです。
表題の親石とはどういう石か簡潔に表すと水槽の主役となる石のことです。石組みレイアウトでは、まずこの親石を決めることから始めることをオススメします。
親石の形や大きさ次第でそのレイアウトの出来が大きく左右されますので、まず形のいい大きな親石を選ぶことから石組みレイアウトは始まっていると言ってもいいかもしれません。
また親石は、以下のような点を意識して配石してみましょう。
ポイント
- 親石を置く位置は水槽の真ん中ではなく少しづらした位置に置くことが基本です。そうすることで人が美しいと感じる黄金比の中心辺りに石を置くことが出来ます。
- 親石の高さは大体水槽の2/3くらいの位置になるように配石しましょう。
副石、添石について
親石の周りに配置する石を福石(ふくいし)、沿石(そえいし)と呼び親石を含んだこの三つの石を並べることを三尊石組(さんそんいわぐみ)と呼びます。
これは日本庭園の基本構図の一つで、これを前出の天野尚氏が水槽内で応用して発展させたという話です。
難しい話は置いといて、要は親石の周りに親石より一回り小さい石を配置して石の郡を作るということです。
上の画像だと水色で囲ったエリアが石の郡になっているのがわかると思います。
今回の例では石の郡を左右に配置し、水槽全体が凹構図になるようにレイアウトされています。
凹構図は石組みを始めてやるなら初心者でも迷うことが少ないオススメな構図ですので石組みの構図に迷ったら凹構図がオススメです。
ソイルを盛り中央は空間を空ける
これも石組みレイアウトの基本の一つですが低床をある程度の高さまで盛って傾斜をつけましょう。
こうすることで石の高さが出て迫力のあるレイアウトになります。
また中央はへこませることによって空間を確保し目線が自然にそこに集まるような消失点を作ります。
石の角度について
石を水槽内に配置する際に気をつけて欲しいことが石の角度についてです。
基本的に石は真っ直ぐ垂直に立たせるのでは無く、少し角度をつけて傾けて配置します。
石に角度をつけることで、水の流れによって石が傾いてるかのような印象を与えます。
水草レイアウトは自然の水中の景観を再現することが根底にありますので、水槽内の石は直立させるより少し傾けた方が自然ということです。
石に角度をつける際、全ての石が同じ角度を向いていないか注意しましょう。こちらも不自然な印象を与えてしまう原因となります。
石の高さについて
これも自然感を演出するために大事なことの一つですが石の高さは揃えないことが基本です。
要は人工的な印象を出さないために、あえてバラバラに石組みすることが自然なレイアウトに繋がるということです。
石組みレイアウトに使う水草について
石組みレイアウトでは石が主役の水槽ですから余り多くの種類の水草を使用してしまうと石の良さが消されてしまいます。
ですので石組み水槽では1~3種類程度の水草に抑えることが基本となります。
まずは好きな前景草を選び後はピンポンで使う水草を1~2種選ぶ感じで最初は良いと思います。
石組みレイアウトに役立つ動画や画像など
今回はADA水槽の画像を例に石組みレイアウトの基本をまとめてみましたがyoutubeでも実際に石組みレイアウトをしている様子が見れるので紹介しておきます。
ADAの動画から学ぼう
iwagumiで検索すると海外の画像や動画が見れる
海外では石組みのことをiwagumiと呼びますので例えば「iwagumi aquascape」と検索すれば動画や画像が沢山見れると思います。
以下は著作権フリーの石組み水槽の画像を一部紹介します。
著作権フリーなサイトからダウンロードしていますが万が一、ご自身の画像が勝手に使用されていましたら、お手数ですがお問い合わせフォームからお知らせ下さい。早急に対処させて頂きます。
まとめ:基本を抑えつつ石組みを練習してみよう
今回はあくまで初心者の方用に石組みの基本ポイントを紹介しましたが、必ずこの通りにやる必要はありません。
石組みは見た目はシンプルですが奥が深いレイアウトなので、石を用意したら水槽に砂を敷き配石パターンを幾つか試しシミュレーションを行うといい練習になると思います。
そこで自分が納得行く石組みが作れたら実際に水を入れてみて立ち上げをしてみて下さい。