メダカは屋内の水槽だけではなく屋外でも飼育されることが多い観賞魚です。
上から見るメダカの姿は、さながら小さい鯉のようで上から見ても楽しめる代表的な観賞魚とも言えます。
また水草などを入れると自然の川を覗いているような感覚になり鑑賞するのが非常に楽しいです。
ということで今回はメダカを屋外飼育する方法を全般的に解説したいと思います。
メダカを屋外飼育する際のメリット・デメリット
まずメダカを屋外飼育したらどんなメリット・デメリットがあるか確認します。
メリット
まず一番のメリットは屋内飼育で必要なライトやフィルター、ヒーター等の器具は(基本的には)必要無いことでしょう。
基本的に必要なものはメダカを入れる容器のみで、照明も太陽光に頼りますので屋内より自然に近い状態で飼育することになります。
メダカ自体も自然な環境に近いことからメダカの本来の仕草や体色を見せてくれますので、そのような状態のメダカを観察出来るのも屋外飼育の魅力の一つだと思います。
そして屋外飼育では基本的にメダカを上から鑑賞することになります。
冒頭でも触れましたがメダカは上から見ても美しい魚なので上からの鑑賞がしたい人には屋外飼育はうってつけとも言えるでしょう。
デメリット
メリットで挙げたフィルターやヒーターを使用しないということは、それだけ安定した飼育が難しいことに言い換えることができます。
特に水温に関してはメダカは低水温に耐えることもできますが屋内でヒーターを使用し温度を一定に保った方が安定した飼育に繋がりメダカを長生きさせることに繋がります。
要はメダカは丈夫な観賞魚ですが屋外の方が厳しい条件であることは間違いないのでメダカを少しでも長生きさせたい、大事に飼いたいという人にとっては屋外飼育は向いていないかもしれません。
また観賞面ではじっくりとメダカを横から観察したい人は素直に水槽で飼う方がいいということがあります
屋外飼育でメダカを飼うとその姿をいつでも見れるという訳ではありません。メダカは基本的には水面付近を泳ぎますが特に低水温になると底の方でじっとしていることが多くなっていきます。
ですので毎日メダカの姿を見ていたい人にとっては屋外飼育はオススメできません。
メダカを屋外飼育する際の容器は?
メダカを屋外飼育する時に使用する主な容器を紹介します。
スイレン鉢
スイレン鉢はメダカを飼育する際の代表的な容器ですね。
元々、名前の通りスイレン(上記画像の白い花)の育成用として作られている容器ですがスイレンとメダカの組み合わせが非常に合うことから今ではメダカの屋外飼育の代表的容器となっています。
スイレン鉢には材質が陶器、プラスチック、発泡スチロールがあり色やサイズの選択肢も多いです。
最も一般的なのは陶器製でやはり高級感があり見た目だけなら一番雰囲気がありますがその反面、重量が重いので移動させるのが大変になります。
プラスチック、発泡スチロール製は見た目は多少安っぽくなる印象はありますがその分、非常に軽量なので取り扱いが楽になります。
個人的にはどのような材質であれスイレン鉢の形状はメダカと非常にマッチするので一番オススメの容器です。
ひょうたん池
ひょうたん池はその名前の通りひょうたん型になっているプラスチック製の容器です。
やはり人工っぽさは否めないもののちょっとした池を見ている気分になるのでこの形が好きな人にはオススメです。
トロ船
トロ船、タフブネ、タライなど色々な呼び方がありますが要はプラスチック製の容器のことです。
安く頑丈で深さ等もビオトープに適していることからこのような単純な形状のプラスチック容器もメダカの屋外飼育では良く見ます。
コストをかけずに屋外飼育を始めたい方にはオススメです。
容器に敷く土の選び方
容器の底に基本的には土(低床)を敷きます。
土を入れるのは以下のような理由があるためです。
- 水草の生長(根を張らす)を促進するために
- 土に水を浄化してくれる微生物(ろ過バクテリア)を定着させるために
- メダカの体色の色揚げのために
土を敷くことによってこのようなメリットがあるため屋外飼育でも容器の底に土を敷きます。
土の種類に関してですがメダカには中性から弱アルカリ性の水質が理想とされていますが丈夫な種なためある程度の水質の幅があっても大丈夫です。
ですので水質に影響を与える土の種類についてもこれじゃなくてはいけないというものは特別無く、園芸用の土、ビオトープ用の土、アクアリウムの用の砂利やソイルなど色々な土を使っても問題ありません。
その中でも代表的な土をいくつか紹介したいと思います。
スイレン用の土
スイレン用として売られている土もあります。
スイレンを植えるのに適しており効き目が長い緩効性肥料が配合されていますので、スイレンを綺麗に咲かせたい人に向いています。
赤玉土
赤玉土は園芸用の土のイメージが強いですがビオトープやアクアリウムでも使用出来ます。
安く手に入りやすいのが特徴でコスパに優れた万能な土ですがメダカの飼育でも頻繁に使用されます。
但し赤玉土は水圧がかかると潰れやすくなる傾向があるので出来れば上の画像で紹介しているような硬質と付いている赤玉土を利用した方がベターです。
メダカ用の砂利
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砂利も他のメジャーな大磯や田砂でもいいと思いますがメダカ専用の砂利も売られているので、そちらを選んでもいいと思います。
ソイル
ソイルも水草用というイメージが強いかもしれませんがソイルを屋外飼育で使用してもOKです。
ただしその場合は余り養分を含んでいないものか使い古しのソイルがオススメです。
その理由は養分豊富なソイルを直射日光の環境で使用するとコケが大量発生してしまうリスクがあるからです。
上記で紹介しているようなソイルは養分をほとんど保持していないタイプなので問題ありません。
屋外用の水草を選ぼう
メダカを屋外飼育する際は出来れば何かしらの水草は入れたいです。
水質の浄化にもなりますしメダカの卵の産み付け場所にもなります。
そして水草があることによって何より見た目の雰囲気が全く違ってきますからメダカと一緒に水草の生長も楽めることが屋外飼育の魅力の一つかと思います。
以下、屋外飼育するメダカに合う代表的な水草を紹介します。
スイレン
この記事でも何度も触れていますが、やはりスイレンとメダカの組み合わせは王道です。
スイレンの根元は土に埋めますが茎を伸ばし大きな丸い葉と上の画像のような非常に綺麗な花を咲かせます。
花を咲かせる季節自体は暖かい時期に限られ特に6~9月は花を拝める機会が多いです。
個人的にはその不定期に花を咲かせるのが逆にいいと思っていまして花が咲いた度に幸せな気持ちになれます(笑)
アサザ
アサザもスイレンと同様、ビオトープでは非常にポピュラーな種です。
画像のような小さな黄色い花を咲かせます。アサザの特徴は何と言っても育成が簡単なところ。
ある程度の肥料と日光さえ当てていればまず花を咲かせることが出来ます。
ヒメオモダカ
ヒメオモダカは白い花を咲かせる抽水植物でビオトープでは定番種です。
育成も容易な部類でランナーで増えていきます。
マツモ
マツモは水草の中でも最も丈夫な種の一つとして知られ屋外で越冬が可能な数少ない水草になります。
またメダカの卵の産み付け場所としても最適な形状をしているのでメダカと一緒に入れる機会が多い水草です。
マツモはとてもポピュラーな種なのでホームセンターの熱帯魚コーナーでも置いてあるくらい入手もしやすいです。
アナカリス
アナカリスは金魚草の一つとも言われマツモ同様、丈夫な水草として知られています。
また特に低水温に強い種としても知られ水に氷が張らなければ問題ありません。
マツモ同様メダカと愛称の良い水草なのでマツモかアナカリスどちらか入れておくといいかもしれません。
アマゾンフロッグビット
メダカを屋外飼育するのなら浮き草を入れておくのもおすすめです。
特にアマゾンフロッグビットはポピュラーな種で入手もしやすく安価なので紹介します。
浮き草はどの種も基本的には丈夫で時に物凄い勢いで増えるので捨てる必要がある程ですが越冬は出来ないので冬の間は室内で管理しておくか、暖かくなったらまた買い直す形をとります。
メダカを選ぼう
メダカは改良品種が盛んに行われている種なので沢山の色や模様のバリエーションがあります。
今回は入手しやすく安価でポピュラーな品種を紹介します。
黒メダカ
原種に近いメダカで野生に生息するメダカは基本的にこの黒メダカになります。黒と言うよりはグレーや茶色っぽい体色でメダカの中でも非常に丈夫なのが特です。
ヒメダカ
メダカと言われればこのヒメダカを指す場合が多く最もポピュラーなメダカと言えるでしょう。体色はうっすらとした緋色で和やかな雰囲気を持ったメダカです。
楊貴妃メダカ
ヒメダカの緋色を更に濃くした改良した種でその体色はオレンジ色と言ってもいいでしょう。メダカの中でも特に人気がある主で緋色が濃いほどグレードが高い傾向があります。
白メダカ
全身真っ白のかわいらしいメダカです。特に上から鑑賞すると白さが際立ちます。
青メダカ
白メダカに似てますが光の当たり方でうっすらと青っぽく光るメダカです。
特に丈夫なのは一番最初のクロメダカですが他のメダカに関しても丈夫な魚であることに変わりはないので好みの色を選ぶといいと思います。
強いて言うなら屋外飼育で上から鑑賞した時に目を引くのは白か楊貴妃なので個人的にはその二種がオススメです。
メダカの屋外飼育の方法
メダカの基本的な飼育方法については以下の記事で書いていますが
今回は屋外飼育ならではの注意したいことなどをまとめました。
水が緑色になる
屋外飼育をしていると水が上の画像のように緑色に濁ってくる現象が良く起ります。
これはグリーンウォーター化とも言われ容器内の養分が直射日光に当たり植物プランクトンが発生しているため緑色に見えるのです。
このグリーンウォーターはメダカには害が無いどころかメダカが好むミジンコがわきやすくなったり、植物プランクトン自体が稚魚の餌になったりと、むしろメダカにとっては住みやすい環境になっていると言えます。
しかし適度なグリーンウォーターなら気にしなくてもいいと思いますがメダカが全く見えなく、水が強い粘り化を持つくらいまで濃度が濃くなってしまうとそれはそれで問題です。
水の濁りに関しては以下の記事で詳しく書いていますのでもし困っているようでしたら参考にして下さい。
小鳥などの動物に注意
屋外で飼育している以上、他の動物がやってきてメダカが食べられてしまうリスクがあります。
特に注意しなくてはいけないのが小鳥とヤゴですね。
小鳥は水を飲みに来ることがあるのですがその時にメダカが見えると食べられてしまうことがあります。
小鳥は一度やってくるとまた来ることが多いので細かいネットなどで防ぐ必要があります。また置いてる場所を変えることもありだと思います。
次にヤゴですが知らないうちに飼育容器の中に入ってしまうことがあります。ヤゴはメダカの天敵とも言われる水生昆虫なので発見次第取り除きましょう。
季節によるメダカの変化
屋外飼育していると外の気温により当然水温が変化しますが水温の変化にともないメダカの活動も変化していきます。
これはメダカに限らず他の熱帯魚にも当てはまることですが水温が高い方が活動が活発的になります。
特に夏はメダカがもっとも活発になる季節なので繁殖も盛んに行われます。その分消費しているエネルギーも多いので必要であれば餌の量も増やしても構いません。
逆に水温が10℃以下になるとほとんど活動しなくなり餌も食べなくなります。季節としては冬で水温が10℃を常に下回っている場合は一旦餌やりを止めます。
一度餌やりをやめたら春になり水温が上がりメダカが活動するまで餌は与えず春になり水温が10℃を上回りはじめメダカ達が泳いでいるのを確認出来たら餌やりを再開します。
この時、一度に大量の餌を与えないように注意して下さい。最初は少量をあげ水温が上昇するにつれ餌の量を段々と増やしていく方がメダカにとって負担になりません。
このように季節によって餌の量を調節する必要があるのが屋外でのメダカ飼育の大事なポイントです。
強風や大雨に注意する
台風などの強い風や激しい雨の時は容器がひっくり返らないように、また水が溢れないように注意しましょう。
移動出来るなら移動させ無理なようならフタをして上から重しをするなど工夫が必要です。
また下記のような容器に水抜き穴が空いているタイプも売っていますのでそのような容器を使うのもいいでしょう。
まとめ
メダカの屋外飼育は誰でも比較的手軽に始めることができ、また屋外ならではのメダカの魅力や季節を感じられる飼育方法です。
気に入った容器、メダカ、水草を用意して是非メダカの屋外飼育を楽しんで下さい。