今回はアクアリウムをやる上でほぼ必要となる道具、照明について解説します。
そもそも何故、照明が必要なのか、どんな種類のライトがあってどのライトを選べばいいのか出来る限りわかりやすく説明したいと思います。
水槽にライトが必要な理由
水槽にライトの設置が必要なざっくり説明するとこのようになります。
- 決まった時間、決まった照射時間による水草やサンゴの育成
- 水槽内にいる生体の活動サイクルを調整
- 水槽内の鑑賞
まず前提として水槽内を照らす専用の照明が無いと水槽内がまともに見えません。
じゃあ窓際に水槽を持っていって太陽光で、と考えた人もいるかと思いますが太陽光で水槽内を正しく照らすのは角度・時間・コケの制御の観点から言うとかなり難しいです。
また鑑賞面以外にも生体や水草が健全に育つ手助けをしますので結局、水槽専用ライトで規則正しく照射するのがベストと言えます。
事前に確認したい光の単位の意味など
ライトを選ぶ際にメーカーが公表しているスペックを確認することが出来ますが特に光の単位は普段聞き慣れない言葉だと思いますのでここで確認してみて下さい
項目 | 解説 |
ワット数(W) | 消費電力のことですが必ず高ければ高いほど明るいということではないので他の数値も一緒に確認しなくてはいけません。 |
光束 (ルーメン/lm) |
光源からの全ての光の量のことをいいます。この単位は大きければ大きいほど明るいです。ルーメンは良く商品説明欄に記載されている単位なので基本的にはアクアリウム用ライトの明るさを確認する際はルーメンを参照することが多いです。 |
照度 (ルクス/lx) |
ルクスは照らされた面の光の量を示します。ルーメンの代わりに実測値として照度(ルクス)の量が記載されている商品もありますがルーメンと同様、高ければ高いほど明るいです。 |
色温度 (ケルビン/K) |
光の色のことを表します。例として家庭で一般的に使われる昼白色は5000K、太陽光が6500Kくらいです。基本的には低くなれば黄色やオレンジっぽく、高くなれば青っぽく見えるイメージです。アクアリウム用照明では水槽内の透明感を上げる為7000~10000Kくらいの色温度が採用されている商品が多いです。ベストの数値がこれというものでは無くて個人の好みによって変わるものですが7000~8000K程度のものであれば大きくイメージを外すことは無いと思います。 |
波長 (ナノメーター/nm) |
光の波長は水草やサンゴの光合成に大きく関わってきますので、この光の波長をセールスポイントにしている商品も数多くあります。それがアピールされてる商品は水草が少し育て易くなるんだという認識でいいと思います。 |
演色性(Ra) | 自然の光と比較して、どの程度再現されているかを表した値です。Ra100を自然光が当たったときと同様の色を再現しているとし、この値に近いほど色性が高い商品になっています。 |
水槽用照明の種類・特徴
現在、アクアリウム用で売られているライトはほぼLEDとなっていますが、蛍光灯とメタルハライドランプについても触れておきます。
- LED
- 蛍光灯
- メタルハライドランプ
それぞれの特徴を順に説明していきます。
LED
アクアリウム業界ではここ数年で蛍光灯からLED時代に移行しました。
各メーカーが競って新商品を出しながら、改良されています。
ではLEDライトの特徴を見ていきましょう。
LEDの長所
- 電気代などのランニングコストが安い
- 電球等の交換の手間が無い
- デザイン性が高くインテリアにマッチする
- 軽くて薄いので複数台設置も容易
- 色温度調整など多機能な製品がある
- どの水槽サイズでも豊富な選択肢がある
LEDの短所
- ライトの寿命や故障があれば基本的に本体ごと買い替え
- 波長や光の進み方の関係で一部の水草が若干ではあるが綺麗に育てにくい
補足
ざっくり説明すると薄くて軽くてオシャレでランニングコストに優れているのがLED照明です。
特にお魚メインで水槽内を鑑賞をしたい人にはうってつけと言えます。
水草育成に関しても最近は波長が改善されたり高出力のものが出てきているので、そういった商品を選べば大抵は問題ないでしょう。特に初心者の方はLED照明の中から自分の好みにあったものを選ぶのがいいかと思います。
また以下の記事で各メーカーのオススメLEDを紹介しています。
投稿が見つかりません。蛍光灯
LEDが台頭するまでアクアリウム界でも一般家庭同様、蛍光灯が主力商品でした。現在、各アクアメーカーはLED商品に力を入れているので蛍光灯ユーザーも減ってきていると思います。
とは言えやはり蛍光灯ならではの魅力もあり現在でも愛用されている名品は残っているので、メリット・デメリットを含め説明したいと思います。
蛍光灯の長所
- 水草の育成に適した波長の為、色々な水草が育成し易い
- 本体の初期導入コストが安い
- 蛍光管を変える事で色や波長の調整が可能
- 家庭用の蛍光管も使用可能(製品による)
蛍光灯の短所
- LEDより消費電力を多く必要とする(電気代や発熱の問題)
- 半年~1年程度で光量が低下する為、蛍光管の交換が必要
- 全体的に本体自体がLED製品より大きくデザインも劣る(※個人の感想です)
補足
蛍光灯は水槽全体を包み込むような光が特徴で隅々まで光が回り込み影が出来にくいので前述したように光量さえ確保出来れば、ほとんどの水草を健康的に育成出来ると言えます。
但し比較的、高ワット数が必要な為、電気代もかかり定期的な交換が必要なのでランニングコストはLEDより悪いです。
また現在はLEDの方が主流になったのでライトのモデルの選択肢が少ない傾向があります。
メタルハライドランプ
メタルハライドランプは蛍光灯やLEDよりも強い光を放つ主に大型水槽で使用される照明です。
大型水槽は水深がある為、他のライトだと底の方に光が十分に届かない場合もありますがメタハラは強い直線的光で水槽の下の方まで明るく照らします。
但しそのスペックの分だけ値段や電気代などランニングコストも高い為、導入する敷居は高めです。では具体的な特徴を見ていきましょう。
メタハラの長所
- 太陽光に近い光の波長で強く水槽内を照らす
- 直線的に光が進むので水槽の底に生息する前景草やサンゴの育成に向いている
- 水槽内に陰影が出来て自然の水中を見ているような雰囲気が出る
- 吊り下げ式で設置する為、メンテナンスがし易い
メタハラの短所
- 本体や交換球が高価
- 点灯時は本体が高温になる為、水温に影響する
- 光が強すぎる為、設置場所によっては眩しい
- 光が直線的な為、全ての水草に向いているという訳ではない
補足
メタハラは太陽のようなライトと呼べるような強い光を発する大型水槽向きな照明です。60cm以下の水槽に設置すると基本的にはオーバースペックとなり強すぎる光で逆にコケに悩まさせることになります。
筆者的にメタハラの最大の魅力は水槽内の雰囲気がガラっと変わることです。水槽内全体の水がゆらめき魚影が底に写る独特の雰囲気は他のライトでは出せません。
まるで自然の川の中を見ているような感覚に陥ります。水草の育成面では意外と弱点があり蛍光灯やLEDで影になる部分を補う必要がある場合もあります。
照明の選び方
照明を選ぶ際の主なポイントは以下のような項目になります。大まかにどの種類が優れているか不等号で表しました。
- 本体の値段→蛍光灯>LED>メタハラ
- ランニングコスト(電気代と交換球)→LED>蛍光灯>メタハラ
- 光の強さや色温度、演色性など→個人の好みによります
- 本体のデザインや重量→LED>蛍光灯>メタハラ
初心者にオススメな照明は?
結論から言うとLED照明をオススメします。
なぜなら現在最もアクアメーカーが力を入れて開発している商品であり一番バランスが取れた使い易い商品だからです。
LED商品には他の照明に比べてデメリットも少なく今後も水槽用ライトの主流になっていくと思います。
ですので初心者に限ったことではなく中~上級者もまず第一選択肢に考えるべき照明とも言えます。
まとめ
今回はアクアリウム用の照明について大まかではありますが解説しました。家庭用の照明は使えないの?と思った人もいるかもしれませんが設置や防水性、光の色などを考えると素直にアクア専用品を買った方がいいです。
この記事ではLED照明をオススメしていますが各商品によってスペックは大きく異なりますので購入前に評判などを調べておく方が後悔が無い買い物が出来ると思います。