ヤマトヌマエビとミナミヌマエビは日本原産の淡水エビで、どこのアクアリウムショップでも見る位とてもポピュラーなエビです。
両者は共通している特徴も多いので、どちらを飼うべきか迷う人もいるかと思います。
結論から言うとそれぞれにメリット・デメリットがありますので飼育環境や好みによって選ぶべきです。
ということで今回はヤマトヌマエビとミナミヌマエビの違いについてまとめたいと思います。
今回の記事の要点
- ヤマトヌマエビの方が体格が大きい
- 淡水水槽ではミナミヌマエビのみ繁殖する
- ヤマトヌマエビの方がコケ取り能力は高い
- 丈夫さは同じくらいである
大きさ
ヤマトヌマエビの大きさはオスは3~4cm、メスは4~6cmまで最大で成長します。
対してミナミヌマエビは最大で3cm程度になります。
ヤマトヌマエビの方がミナミヌマエビより1.5倍~2倍程度大きいサイズとなりますので、以下のことが言えます。
- ヤマトヌマエビは混泳している熱帯魚に食べられにくい
- ヤマトヌマエビの方が水槽内で目立つ
小さいミナミヌマエビは熱帯魚に食べられてしまうことがある
熱帯魚は全てではないですが、温和な性格な種でも口に入るものは食べてしまう傾向があります。
ざっくり言うと熱帯魚も人間同様、エビが好物だと言うことです
筆者の経験だと(大き目の)インパイクティスケリーやカージナルテトラ、シルバーチップテトラに、小さめサイズのミナミヌマエビを食べられてしまったことがあります。
恐らく、その時は魚達の大きさは4cm程度でミナミヌマエビは1.5~2cm程度だったと思いますが、この位の体格差でも食べられてしまうんですね。
対してヤマトヌマエビの場合はメスは特に大型化することもあり、余程サイズ差が無ければ食べられてしまうことは、ほぼ無いです。
姿は似ているが水槽内の存在感は結構違う
当たり前のことですがヤマトヌマエビの方が大きいのでそれだけ水槽内の存在感があります。
エビ達には、あくあまでコケ取りの脇役として飼いたい場合には、主張が強すぎるので特に大型化したメスのヤマトヌマエビは入れない方がいいです。
そういった面ではミナミヌマエビの方が水槽内で目立ちにくい傾向はあります。
ヤマトヌマエビのとミナミヌマエビの見分け方・違い
前述したようにヤマトヌマエビの方が大きいことが多いですが、それ以外の違いとして体に斑点状の模様が入っています。
一方で、ミナミヌマエビはヤマトと比べると体全体が透明っぽい印象を受けます。
両方とも透明系の生体ですが、どちらかと言えばヤマトヌマエビの方が水槽内での存在感は大きいですね。
繁殖
繁殖については両者で大きな違いが見られます。
ミナミヌマエビは水槽内で容易に繁殖が可能ですがヤマトヌマエビは抱卵自体はしますが孵化した幼生を汽水(海水と淡水の中間の塩分を持つ水)下で飼育しなければならず淡水での繁殖は出来ません。
よって繁殖することを楽しみたい方にとってはミナミヌマエビが向いていますが、無闇に生体の数を増やしたくない方はヤマトヌマエビの方が向いていると言えるでしょう。
ヤマトヌマエビの方が寿命が長い
寿命についてですがミナミヌマエビは約1年、ヤマトヌマエビは3~4年程度が目安です。
ただし後述しますがミナミヌマエビは繁殖を行うので各世代で渡り繋ぐことが可能です。
ヤマトヌマエビの寿命については非常に幅があり、平均的な飼育下では3~4年程度と言われますが、6~7年程度生きる個体も珍しくは無く中には10年以上飼育しているという報告もあります。
参考リンク
どちらが丈夫?
両方とも丈夫な種なため甲乙つけがたいですが、あえて差をつけるのであれば水温と水質の適応幅が大きいのはミナミヌマエビです。
ミナミヌマエビは水温1~30℃程度、pHも弱酸性から弱アルカリ性と幅広い水質に適応出来ます。
対してヤマトヌマエビも低温にも強いのですがミナミヌマエビよりは劣り、水質も余りに低pHだと耐えられない傾向があります。
ただし他の熱帯魚から食べられにくいことや寿命はヤマトヌマエビの方が長いので、そういった側面ではヤマトの方が長生きしやすいです。
コケ取り能力はヤマトヌマエビの方が高い
結論から言うとヤマトヌマエビの方が断然高いです。
体格差以上にコケ取り能力の差があるので単純にヤマトトヌマエビ1匹=ミナミヌマエビ5匹のような比較は難しいです。
コケ類は数えきれない程の種類がありますが、ヤマトヌマエビの方が幅広く対応していま。
一方でヤマトヌマエビは能力が高いため、コケが無いと柔らかい水草が食べらることがあります。
例えば新芽のウィローモスやリシア、グリーンロタラ等が食害に遭いやすいです。
ヤマトヌマエビとミナミヌマエビの混泳
ヤマトとミナミは一緒の水槽で、飼えないことは無いのですが、体格差があるとヤマトヌマエビは小さいミナミヌマエビを食べてしまうことがあります。
特にミナミヌマエビが繁殖した直後の稚エビの状態の時に狙われやすいです。
つまりヤマトヌマエビとミナミヌマエビを一緒の水槽にしているとミナミヌマエビの繁殖は難しいことになります 。
共食いはするのか?
特に飢餓状態の時にヤマトヌマエビとミナミヌマエビ、両方とも共食いすることは稀にあります。
ただし、水草をある程度入れておけば、頻繁に起こることではありませんので、そこまで気にしなくても良いと思います。
まとめ:好みに合わせて選ぶ
以上ヤマトヌマエビとミナミヌマエビの主な違いでした。
それぞれメリット・デメリットがありますので個人の飼育環境や好みに合わせてどちらかを選ぶといいと思います。
ちなみに個人的にはミナミの見た目が好きですがコケ取り能力の信頼感からヤマトを選ぶ方が多いです。
私のように水草水槽でコケ対策のためにエビを入れる人はどちらかと言うとヤマトの方が多いと思います。
対してメダカの屋外飼育では小さいミナミヌマエビの方が向いています。