ベタに適しているpHは弱酸性~中性が理想と言われていますが、ベタ専門店の方がアップされていたyoutubeの動画内でこの認識は間違っていると仰っていました。
結論から言うとベタは中性から弱アルカリ性で飼育するのが理想とのことです。
個人的にかなり衝撃を受けたのですが、これを機会にベタの適正なpHについて時間をかけて調べてみました。
ベタの適正pHは弱酸性ではない!?
まずその動画からですが要点をまとめますと
- 現地(タイのファーム)の水はpH7.5~8.0、硬度8H°くらい
- 日本に持って帰ると特にカッパー系のベタの色が抜けてしまう
- 原因は日本の水が現地の水に比べて軟水であるから
- ワイルドベタ以外にはpHをマジックリーフ等で下げる必要は無い
- ネットを見ると酸性の水で飼えとあるがそれは間違い(断定)
- 自分も最初はpHを下げる方法をとっていたが色がとぶので現地の水を調べた
このようなことを動画内で教えてくれています。
動画をアップされている方はベタ専門ショップ高知熱帯魚サービスさんの代表者の方で経験も豊富(他の動画でベタに注力し始めたのは15年程前とおっしゃっていました)で現地に買い付けも行っているそうです。
動画タイトルはベタの水換えとなっていますが、内容は水換えの方法以外にも飼育水全般のことや病気等についても語られていますので色々と参考になると思います。
筆者も、やはりベタは酸性寄りの方が良いという認識を持っていたので、この機会に調べ直してみることにしました。
ネット上でベタの適性pHはどう書いているか?
まず当サイトのような個人の方が運営されているサイトでは、やはり弱酸性から中性が理想と自分が見た限りでは全てのサイトがそのように書いていました。
ただトラディショナルベタは適応能力が特に高いので弱アルカリ性でも大丈夫という記載も多かったです。
更に熱帯魚ショップのページも検索してみました。
まず通販最大手(実店舗もあります)のチャームのベタ販売ページ、それから日本水族館(大型アクアショップ、トロピランドやパウパウアクアガーデンを展開)が運営監修する熱帯魚図鑑を見てもやはり弱酸性から中性としか書いていません。
他の通販ショップのページも幾つか見たのですが、どこも同じ記載でした。
また軽くですが英語でもベタのpHについて検索してみましたが、アメリカの水道水は日本より硬度が高く7.0~8.0の間で飼っている人が多いようでした。
ニュアンスとしては中性が理想と言えば理想だけど弱アルカリ性でも問題ないよといった感じの記述が多かったです。
ただ弱アルカリ性の方が良いと、はっきりと書いてある所は見つけることが出来ませんでした。
本ではどう書いているか?
ベタの飼育に関して書いてある書籍を数冊確認しましたが、ネット同様弱酸性から中性が理想となっていました。
上記画像のようにベタを専門的に書いている本でも、そのように書いてありました。
youtubeでもう一つ信頼出来るソースを発見
ネットで情報を漁っていたところもう一つベタのpHに関する動画を発見しました。
動画投稿者さんが有名ベタ専門ショップフォーチュンさんの店主の方にベタの飼育方法について直接質問をしているといった内容の動画です。
その中でpHにも触れておりベタ飼育では中性のアルカリ寄り、つまり弱アルカリ性がベストと回答があったようです。
理由は高知熱帯魚サービスさんと同じで、現地ファームが海沿いに弱アルカリ性のpHのためということです。またフォーチュンさんの販売水槽では塩も加えているそうです。
ちなみにフォーチュンさんの店主の方は日本で唯一の国際ベタ連盟公認審査員ということで、言うまでもなくベタに非常に精通した方です。
結論:多くのベタは中性から弱アルカリ性で飼育するのが理想
ネットや書籍ではベタ飼育では弱酸性が適していることが半ば常識のように書かれていますが、現地のファームに直接買い付けに行っているベタ専門店の方の意見が一致しているため、こちらの情報の方が信頼性が高いと思います。
ベタは中性から弱アルカリ性で飼育するのが理想
簡単に言えば野生のベタ本来の生息地は弱酸性ですが、養殖だと弱アルカリ性の水で育成されているため、このような解釈の違いが起こっている訳ですね。
日本で購入できる、きらびやかなベタは、ほぼタイのファームから輸入されています。野生(ワイルド)であればワイルドベタとして売られているので、それ以外は養殖と考えて良いです。
つまり日本の水道水は地域にもよりますが、基本的には上記のpHの範囲になることが多いので、マジックリーフや、やしゃぶしの実等を使用してpHを下げる必要は無いということになります。
ただ必ずしも、この範囲のpHで飼育しなければいけないという訳ではなく、ベタは割と広い範囲のpH6.0~8.0程度に適応することも間違ってはいません。
ワイルド(野生で採集された個体)は除きます。ワイルド個体については概ね酸性寄りの水質で生息していますが種によって適正pHは異なります。