オトシンはコケを食べてくれる熱帯魚として重宝され、ルックスや仕草もかわいげがあり非常に人気がある魚でもあります。
オトシンは導入時さえ気をつければ基本的に丈夫な種ですが長期飼育することは難しいという声が多いです。
今回は、その長期飼育するためのポイント等を紹介します。
オトシンを長期飼育出来ない理由
オトシンの寿命は約三年程度ですが半年以上、飼育出来ない方が多いです。
その死因のほとんどは餓死によるものだと考えられます。
オトシンは茶ゴケ(珪藻)を好んで食べますが茶ゴケは水槽が一旦安定すると発生することが少なくなりますから、水槽内に食べるものが無く死んでしまうという訳です。
そのためオトシンを長期飼育するためには人工飼料を餌付かせるなどの工夫が必要になってきます。
オトシンを長期飼育するためのポイント
人工飼料を餌付かせる
人口飼料を餌付かせる。これがオトシンを長期飼育する上で最も重要かつ難しいことだと思います。
オトシンはコケしか食べない訳では無く、本来は雑食なので基本的に何でも食べるんですよ。例えば熱帯魚用のフレークタイプの餌でも食べます。
但し餌に対する反応が、もの凄く遅い(関心が薄い)ので人工飼料を与えても混泳している他の生体に食べられてしまうんですね。
ですので人口飼料を与えても最初は無反応だと思いますので餌付かせるには結構根気がいると言えます。
でオトシン用の人工飼料と言えば水槽の底に沈下するタブレットタイプの餌を用いますがコリドラス用タブレットかプレコ用タブレットのどちらかを用いることが基本です。
どちらかと言えばプレコ用タブレットの方が食い付きが良いいので、初めてオトシン用の餌を選ぶのであればキョーリン ひかりクレスト プレコをオススメします。
但しこれも必ず食いついてくれる訳ではないので、どうしても食いつかない場合は他の餌も試す必要があります。
餌のやり方についてですが基本的にオトシンの側に落としてそれを何度も繰り替えすしかないと思います。
ヤマトヌマエビやコリドラスがいると持っていかれると思いますが、それでも出来るだけオトシンの側に落とす、或いはピンセットでタブレットをつまみオトシンの目の前まで持っていく、などの工夫が必要になります。
タブレットを一度餌と認識すれば、それからは関心を示すようになる筈です。
またオトシンは、どちらかと言えば夜行性であることから、照明を落として他の生体が活動していない時に餌を与えてみるのもありだと思います。
野菜を与える
オトシンの餓死を防ぐ為に茹でた野菜を与えるのも定番な方法です。
定番なのは茹でたほうれん草、茹でた昆布、皮をむいたキュウリです。どれも良く食べると思います。
勿論これらは水槽の中にそのままにしておくと水を悪くするので基本は一日程度で取り替えるようにします。
またこれらの植物性のものだけでは、はり長期飼育は難しいのであくまで野菜を与える方法は補助的な位置づけと考えて下さい。
野菜を与える場合は無農薬野菜を与えて下さい。
オトシンの数を抑える
長期飼育を考えるのであればオトシンの数は60cmレギュラー水槽で1~2匹が妥当です。
60cm未満の水槽であれば1匹で十分です。それ以上の数を入れると自ずと一匹当りが食べられるコケも無くなりますので長期飼育は難しくなります。
水槽内を貧栄養にしない
一週間程度、ガラス面を掃除しなくてもピカピカな状態。水槽がこのような貧栄養状態ですとオトシンが食べるコケも発生していないことになりますので一週間でガラス面にうっすらとコケが生える程度が理想の状態ではないでしょうか。
水草にとっても、ある程度の栄養が水槽内に無いと成長しませんので水槽が貧栄養すぎる状態であれば肥料を追肥するなどの調整を行う必要があります。
餓死しにくいオトシンネグロ
オトシンは他のも種類はいますが主に並オトシンと呼ばれるオトシンクルスと、オトシンネグロの二種類が販売されていることが多いです。
オトシンクルスの方が安価で、どこでも手に入りやすくルックスもかわいいですがオトシンネグロはオトシンクルスに比べ圧倒的に餓死しにくいです。
コケ取り能力ついてもオトシンネグロの方が上なのでオトシンネグロの方がコケを食べる種類の範囲が広いことが推測されます。
また上記画像で紹介しているオトシンネグロは国内で養殖された個体なので人工飼料に餌付きやすい特長があります。
ですのでオトシンを餓死させたくない方は国産ブリードのオトシンネグロを選ぶのもありだと思います。
まとめ
オトシンを長期飼育するポイントをまとめるとまず人口飼料に何とか餌付かせるのが大前提。
それまでは水槽内のコケや茹でた野菜を与えて餓死を防ぐといったところでしょうか。
オトシンは他の生体を脅かすことも無く水草の食害も無い素晴らしいタンクメイトです。
是非今回取り上げたポイントを参考に長期飼育させてみて欲しいと思います。